くらし

ツレヅレハナコさんの理想が詰まった、台所が主役の家。ひとり暮らしの一戸建てで実現。

  • 撮影・津留崎徹花 文・高田真莉絵

見ているだけで心躍る、世界の鍋は飾りながら使う。

キッチンとリビングの境目にある壁には、世界各国の鍋をディスプレイ。これも、実用的なものを飾りながら実際に使い倒すというツレヅレさんの考えの表れで、この棚は、家を建てる当初から作りたいと思っていたそう。

「鍋って、その土地の食文化を如実に表しているアイテムですよね。旅先で出合うと必ず手に取って購入してしまうくらい大好きです。それをしまい込むのはもったいない。キッチンではなく、あえてリビング側に並べて、いつでも好きなものを眺められるようにしました。この鍋でどんな料理を作ろうかなと考えるのも楽しい時間です」

左側の有孔ボードが貼られている壁の向こう側は、パントリースペース。大工さんが作った大型の木製ワゴンが並ぶ。キッチンの廊下を区切ることで、収容量を格段にアップさせた。

ベトナムの手打ちアルミ鍋や韓国の漆など、世界各国の個性豊かな鍋が並ぶ、楽しい空間。「棚板はホームセンターで買ってきて、建築家さんに設置してもらいました」

リビングには極力ものを置かずスッキリさせて、メリハリを。

大きな窓がある日当たりの良いリビングは、広々とした空間。

「キッチンとリビングの空間をはっきりと分けたかったので、リビングはスッキリとさせて、対照的な雰囲気になるようにしています。キッチンが作業をする場所だとしたら、ここはとにかくのんびりする場所。飼い猫と遊んだり、映画を見たり音楽を聴いたり、リラックスしています」

リビングには使うものだけを。

リビングの壁側に置いた棚には、ホームパーティや撮影の際に使う、お皿や箸のセットを常備。「使う場所の近くに置くことで動線がスムーズに」。
テレビの前には旅先で購入した革の椅子を。「料理をしていないときは1階の書斎で仕事をするか、ここに座って心と体を解放しています」

いっぽう、家の顔である玄関を入ったところには、ワインバーのようなカウンターが。2階のキッチンやリビングとはまた違う、ムーディな雰囲気だ。

「ゆくゆくはここに料理家さんを呼んでイベントなどができるようにと、小さなキッチンを設置しています。新型コロナウイルスが落ち着いたら、みんなに集まってもらえるような楽しいことができたらうれしいですね」

遊び心溢れる楽しい玄関。

玄関や、2階のキッチン&リビングスペースに続く階段の壁にはイラストレーターの得地直美さんの目玉焼きの絵や、実家からもらってきたブラジルのオブジェ、なまはげグッズなどを飾り、いたるところに「好き」のエッセンスを。
「卵が大好きなので、得地さんの作品は見た瞬間に購入を決めました」

ツレヅレハナコ さん

料理編集者

食と旅を愛する編集者。雑誌などで、簡単つまみやホームパーティで活躍するレシピを紹介。著書多数。10月末には自身の家づくりをまとめた『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)を上梓予定。

『クロワッサン』1030号より

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