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節約の達人に聞く、家計見直し「現金編」。

暮らしをスリム化する上で、出費の引き締めは重要課題。現金、電子マネー両面での家計見直し術を、節約の達人、和田由貴さんに聞きました。

撮影・黒川ひろみ イラストレーション・ヤマグチカヨ 文・大澤千穂

◎現金の管理をしっかりすることが、家計を整理する上での基本。

家計簿管理が苦手でも大丈夫。枠さえ固めれば、うまくいく。

家計スリム化の第一歩は、予算枠の中でやりくりする習慣づけ。

「各費目の金額の枠を決め、そこからあふれないように管理すれば、多少どんぶり勘定でも大丈夫です」

手堅いのは王道の袋分け作戦。

「現金支出が多い食費は、月初めに封筒に分ければ残金が一目瞭然。私が実践しているのは、3対1に分けておく方法。予算4万円なら、3万円と1万円。3万円は1日1000円として野菜や肉など日々の食材に使い、1万円でお米や調味料といった時々発生する常備品を買う。予算枠を崩すことなくイレギュラーな買い物もできますよ」

節約の達人に聞く、家計見直し「現金編」。

支出ごとに口座を分ければ、通帳が家計簿代わりになる。

住宅ローンや管理費などの住居費、また光熱費といったカード払いや自動引き落としが多い費目は、それぞれ専用口座を設けて管理するのもひとつの手段。

「口座を袋分けの封筒に見立てた銀行の活用法です。給与口座から各費目の口座に対して、月1回それぞれに予算を振り分けるだけ。記帳すれば出納帳代わりになり、残金も把握しやすくなります」

日頃現金をあまり使わないという人は、全費目を口座化しても。

「封筒でなくても頭の中で“袋分け”できていれば大丈夫。自分に合う仕分け方法を選びましょう」

「余ったら貯蓄」から「先取り」に。発想の転換が貯まる家計を作る。

貯蓄は「余ったら」ではなく、先取りするのが鉄則。

「浮いたお金を貯蓄に……と思いがちですが、お金は初めに取り分けないと貯まらないもの。貯める分は先に貯蓄口座に分け、残った中で各費目に分配します」

先取りする貯蓄の割合は?

「世帯ごとの収入にもよりますが、ざっくり言うと子どもがいない場合は最低2割、いる場合でも1割は貯蓄に回したいもの。定期預金の自動引き落としなども活用しつつ、貯まる仕組み作りをしましょう」

節約の達人に聞く、家計見直し「現金編」。

こまめな小銭貯金で、スリムな財布と貯蓄を両立。

すっきりとした家計を目指すなら、財布まわりも見直したい。

「特に注意すべきは、買い物のたびにたまる小銭。じゃらじゃらして財布が重くなり、レジでもたつく原因にもなる憂鬱の種。毎日一度は不要なレシートと一緒に、財布から小銭を取り出し、貯金箱に入れるといいですよ」

おすすめは、50円玉以下の小額の小銭だけを貯める方法。

「500円玉貯金も人気ですが、それだと財布の現金がすぐになくなってしまうし、足りない時に貯金箱に手が伸びがち。その点50円玉以下なら家計への影響も少なく、意外と貯まります。そして貯金箱がいっぱいになったら銀行へ。臨時収入にもなり、財布もすっきりするので一石二鳥です」

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パンパンにしないためには、財布そのものを見直してみる。

常に財布がいっぱいという人は、財布自体の買い替えも視野に。

「整理が苦手な人ほどカード入れが多いものなど、『入る』基準に財布を選びがち。実際は余裕があることでさらに入れてしまうため、逆効果になりやすいのです」

減量のためには、あえてコンパクトな財布に替えるのも手。

「入れるスペースを作らないこと。カードは日常使いするものだけを持ち歩き、小銭は毎日取り出す。この2つさえ習慣化すれば、財布は必ず軽くなります」

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ポイントカードやクーポン券の財布入れっぱなしに要注意。

おトクなクーポン券やポイントカードも、財布スリム化のためには必要最低限を心がけたい。

「むやみにクーポンを持ち歩くのはかさばるだけでなく、おトクに引っ張られて無駄な買い物をすることにもつながるので節約の面でもマイナス。ポイントカードも作らないほうが無難ですが、最近はスマホアプリで管理できるものもあるので、よく行く店に的を絞り活用してみてはどうでしょう」

いずれも本当に必要か、熟考の上で財布に入れる習慣を。

節約の達人に聞く、家計見直し「現金編」。

家計のスリム化を図る際に大切なのは「現実的な予算設計」と、節約アドバイザーの和田由貴さん。

「そのためには、まず自分が月にいくら使っているかを把握することが重要です。わからない場合はまず2カ月くらい家計簿をつけてみて、そこから1割または2割減を目安に予算を立てると現状に即した額になるはず」

家計簿をつける際は、金額だけでなく使った費目にも注目したい。

「多く使う費目がわかれば予算配分の優先順位がつけられます。趣味などお金をかけたい部分は確保し、その分削れる費目を探せば、無理なく自分の暮らしに合う節約の形を作れます」

そして財布自体の見直しも、すっきりとした頭で家計と向き合うコツ。

「混沌とした財布では家計の把握もできません。1日1回はレシートなど不要なものを整理する癖をつけましょう」

和田由貴(わだ・ゆうき)さん●節約アドバイザー。「節約は無理をしないで楽しく!」をモットーに快適で賢い消費生活を提案。『超かんたん! はじめてのスマホ決済』(扶桑社)など著書多数。
和田由貴(わだ・ゆうき)さん●節約アドバイザー。「節約は無理をしないで楽しく!」をモットーに快適で賢い消費生活を提案。『超かんたん! はじめてのスマホ決済』(扶桑社)など著書多数。

『クロワッサン』1026号より

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