くらし

不要なものを“捨てる”ためのステップ。そのモノたち、今のあなたに要るのでしょうか?

住空間をスリム化するのに最も大切なのは、不要なものを“捨てる”こと。わかっちゃいるけど……と悩める人は、やましたひでこさんの断捨離ステップをまず読むべし!
  • 撮影・青木和義 文・一澤ひらり

1.ノウハウやコツを知ろうとするより、とにかく、まず、捨てること。

「収納とか片づけってノウハウやスキルばかりを求めて、思考がストップしがちなんですよね。でも捨てるかどうかを判断し、決断し、断行することは人に聞いて決めることではありません。自分で考えるしかないんです。だからまず捨ててみることが大切。ひとつでも手放せれば、それを積み重ねていけばいいんです。自分が大事にできるものの適量がわかってくると、自然と不要物は削ぎ落とされていくんですよ」

このトライし続けるプロセスにより、スペース全体が見渡せるようになって俯瞰力が身につき、居心地のいい洗練された空間を具現化できるように。

「ただし、注意点がひとつ。思い出の品とか、自分が気にしているものは後回しにすることです。執着が強いものは判断が難しくてなかなか進みません。まずは収納してしまい込んでいるものが狙い目です。大概が不要物で、何を入れたか忘れてますからね。そうした忘却グッズを発掘することから始めましょう。捨てる力が鍛えられます」

2.家のどこかしらに大小かかわらず、ゴミ集積場があるということに気づく。

「みなさんがやっていることは1日24時間いつでも出せて、分別もいらない便利なゴミ集積場を家の中に作っているようなものです。ただ、そこにはゴミ収集車は決して取りに来てくれません。ちょっとしたホラーですよね(笑)。まるごと一部屋を物置みたいにしている家は多いと思いますが、見て見ぬふりをしているだけなんです。都合の悪いものは見たくないですから。その事実に気づくことが大切で、この自覚が次へのステップにつながります」

それは部屋に限らない。引き出し、冷蔵庫、パントリー、クローゼット、トイレ、下駄箱など、小さな空間にも同じ現象が起きている。

「むしろ小さな空間のほうが手をつけやすいです。収納されているものを全部出して俯瞰できますからね。それらのモノが必要か、ふさわしいか、心地よいか、自分に問いかける作業がポイントです。この『要・適・快』の3つの基準でふるいにかけていけば、スッキリした空間が生まれます」

3.モノはしまい込むのではなく、ディスプレイしながら把握する。

「収納はいかに収めるかではなく、いかに収めないかが大切です。つまり、収納のためのグッズを購入したりするのはNG。余裕のある空間を持たせて、取り出しやすく、しまいやすく、美しく整える。それにはどうするかというと、自分がショップの店長になったつもりで、思わず手に取りたくなるようなディスプレイをすればいいんです」

たとえばクローゼットならブティックを、パントリーなら高級食料品店の棚をディスプレイするつもりで空間を考えていく。すると意識が変わり、片づけがクリエイティブな作業となり楽しめる。美観を損なうものは捨てやすくなって、量は自ずと減っていくはず。

「収納は使うべきものが出番を待つ楽屋みたいな空間です。余白を作って、モノでいっぱいにせず、美しく配置できるようなスペースを確保しましょう。引き出しや棚はどこを開けてもオブジェのように飾れば、見ているだけで気分が上がるし、美意識に貫かれてモノも選び抜くようになります」

4.捨てる基準は今の自分とモノとの関係性を考えながら決めていく。

「断捨離とは何でも捨てればいいのではなく、今の自分にとって不要なものを手放すことです。意識してほしいのは、モノとの関係性は時間の経過とともに変わるということ。子どもがいたときはたくさんの食器や布団、タオルやシーツが必要でも、夫婦二人暮らしになったら要らなくなりますよね。時間が経って不要になっているものは意外と多い。人はそうしたものに固執しがちで、いつか何かに使えるかもと、捨てなくていい理由を探してしまう。必需品以外はもはや記念品なんです」

大切なのは今の自分にとって必要かどうか。使う自分を軸として「要・適・快」で判断して、始末をつける。

「捨てる力とは、今の自分とモノとの関係性を見極めることにほかなりません。使ってこそモノは生きる。モノと自分との関係が生きているかどうかが重要です。断捨離で基準にすべきは自分であり、空間。必要ないものを減らせば空間にも心にも清々しさが生まれて、暮らしの質がぐんと向上しますよ」

やましたひでこさん●一般財団法人 断捨離(R)代表。ヨガの行法哲学「断捨離」を日常の片づけに落とし込み、実現可能な自己探究メソッドに。著書に『捨てる。引き算する勇気』(幻冬舎)など多数。

『クロワッサン』1026号より

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