ギリシャの豚の赤ワイン&コリアンダー煮【美才治真澄さんのヨーロッパのスパイス料理レシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
【ギリシャ】豚の赤ワイン&コリアンダー煮
コリアンダーシード
世界最古のスパイスのひとつ。甘く爽やかな香り。アジアや中近東では粉末にして使うことが多いが、ヨーロッパではピクルスやマリネなどの香り付けにホールで使用する。
粗く叩いたシードの香り高いワイン煮。
肉などを赤ワインとコリアンダーシードで煮込んだ料理は、地中海の島・キプロスの代表的な料理のひとつ。「コリアンダーのスパイシーさと柑橘系の香りが、赤ワイン煮に独特の風味を加えてくれます。シードのプチプチッとした食感も楽しいアクセントに」
【材料(2人分)】
豚肩塊肉400g
赤ワイン150ml
コリアンダーシード大さじ2
オリーブオイル小さじ2
塩小さじ1/4
こしょう適量
好みのハーブ適宜
【作り方】
1.豚肉は4〜5cm角に切る。コリアンダーシードはすり鉢で粗くすり潰すか、包丁で粗く刻む。
2.ボウルに赤ワイン、コリアンダーシードを入れ、豚を漬け込み一晩おく。
3.鍋に2と豚肉が顔を出すくらいの水を入れて強火にかけ、煮立ったら弱火にして1時間ほど煮る。
4.汁気が少なくなったら、オリーブオイル、塩、こしょうを加えて全体を炒め煮する。器に盛り、好みでハーブを散らす。
辛さよりも香り重視で、素材の持ち味を引き立てます。
中世のヨーロッパ人を大航海へと駆り立てた理由のひとつが、スパイス。当時、手に入りにくいものも多く、今では考えられないほど貴重で高価なものだった。けれど、時代を経て各国に定着したスパイスは、今ではヨーロッパ料理には欠かせないものになっている。
「スパイスは、ヨーロッパで幅広く使われているハーブからは得られない、独特な香りや色付け、防腐作用といった役割を担うもの。味に奥行きやメリハリをつけ、風味や彩りを加えるのにも役立っています」
と、美才治真澄さん。ハーブとともに組み合わせるのも、ヨーロッパ流の使い方。
『クロワッサン』1023号より
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