くらし

益子陶器市がオンライン開催に。おうち時間でうつわが買える!

例年、春と秋の年2回開かれる益子陶器市。今年のGWは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために急遽、ウェブで開催されることに。これまで遠方で行けなかった人も、家にいながらにしてお気に入りのうつわを手に入れるチャンスです。
  • 文・澁川祐子

オンラインならではのメリットも!

約150の窯元、作家、販売店が参加。1点ものが多いが、なかには追加販売されるものも。

江戸末期から鉢や水甕、土瓶などの日用品をつくり、大都市東京の台所を支えてきた栃木県の益子焼。昭和初期には「用の美」を提唱した柳宗悦らとともに牽引した陶芸家の濱田庄司が移り住み、土地の釉薬や土を使い、益子焼の名を広めました。

現在では若手からベテランまで多くの陶芸家が窯を構え、一大イベントとなった陶器市。しかし、今春は新型コロナウイルスの影響で4月3日に中止が決まり、「益子 春の陶器市(Web版)」と題して4月29日〜5月20日までオンライン開催されることになりました。

「画面では、うつわの実際の色合いや重みは判断しづらいですから、どれだけ売れるか不安はありました。でも毎年楽しみにしてくれている人たちのために何かしたいと、急ピッチで準備が進みました」と益子町Web陶器市事務局の星和利(ほしかつとし)さん。

結果は、初日の4月29日夕方5時時点で約1800点が売れ、完売する作家も続出。「予想をはるかに上回る反響で驚きました」(星さん)。

実際の陶器市ではテントが立ち、やきもののほか手仕事や特産品も並ぶ。

例年の陶器市では大勢が訪れ、いろいろ見てまわるには時間も体力も必要。その点、オンラインならば混雑とも無縁で、ゆっくりと吟味できます。そしてお気に入りが見つかったら、今度はぜひリアル陶器市へ。

「つくっている人と直接会話をして買えるのが、陶器市の楽しみの1つ。気になるものがあれば、次の開催時にどんな人がつくっているのかなと足を運んで確かめてもらえればうれしいです」(星さん)

期間中は「窯出し」と称し、3回に分けて作品をアップ。すでに2回の窯出しが終了していますが、最後の3回目は5月6日午前9時からスタート。たくさんの作品が並ぶこの機会、新しいうつわで毎日の食卓に変化を取り入れてみてはいかがでしょうか。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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