江戸末期から鉢や水甕、土瓶などの日用品をつくり、大都市東京の台所を支えてきた栃木県の益子焼。昭和初期には「用の美」を提唱した柳宗悦らとともに牽引した陶芸家の濱田庄司が移り住み、土地の釉薬や土を使い、益子焼の名を広めました。
現在では若手からベテランまで多くの陶芸家が窯を構え、一大イベントとなった陶器市。しかし、今春は新型コロナウイルスの影響で4月3日に中止が決まり、「益子 春の陶器市(Web版)」と題して4月29日〜5月20日までオンライン開催されることになりました。
「画面では、うつわの実際の色合いや重みは判断しづらいですから、どれだけ売れるか不安はありました。でも毎年楽しみにしてくれている人たちのために何かしたいと、急ピッチで準備が進みました」と益子町Web陶器市事務局の星和利(ほしかつとし)さん。
結果は、初日の4月29日夕方5時時点で約1800点が売れ、完売する作家も続出。「予想をはるかに上回る反響で驚きました」(星さん)。