くらし

青木さやかさん「私の出費、何がムダ?」。出費のクセに潜む、節約の敵とは。

  • 撮影・青木和義 イラストレーション・イオクサツキ 文・板倉みきこ

チェックリストで、あなたの間違ったお金の使い方が判明!

お金の使い方の傾向がわかれば、その人の無駄遣いを正すポイントがよくわかる。そこでチェックリストを作り、どこから改善に手をつけるべきか、3つのパターンに分類してもらった。

「贅沢しているつもりはないのにお金が貯まらない人、不安解消のために物を買ってしまう人、物を選ぶ基準が他人になってしまう人……。原因は多少違っても、無駄遣いやお金が貯まらない傾向がある人に共通するのは、自分の心主導で買い物をしていない、お金の流れを把握していないという点です。思い当たる部分があれば、見直すべきポイントを実践してみてください。続けていれば大きな変化が訪れ、無駄遣いが減りますよ」(八ツ井さん)

[STEP1]1カ月にかかった「費目」を書き出す。

生活する中で、かかった費用を項目別に書いていく。家賃など決まっている固定費は青で、そのときによって金額が変わるものは流動費として赤、そのほか突発的な出費や、どの費目に該当するか曖昧なものは緑で仕分ける。あまり細かく考えず思いつくままに書く。

[STEP2]その時点で見直せそうな費目に◯をつける。

書き終えたらいったん頭をリセット。日常生活を思い返しながら書き出した費目を見返す。そこで、このジャンルは見直せそう、または見直したいと思ったものに◯をつける。ここでも深く考えないで。

[STEP3]次のA〜Cのチェックリストで、実際にまずどこから見直しに手をつけるか決める。

習慣などに関するチェックリストで、自分に当てはまるものすべてに印をつける。A〜Cの中で印が多いものが、あなたのお金の使い方のタイプ。そこから導き出された、見直すべきポイントも参考にして。

〈 1カ月の生活にかかる費目一覧 〉(STEP1)(STEP2)

支出の費目をざっと書き出して、可視化する。その上で現時点で見直せそうな費目、見直したいと思う費目に印をつけていく。

行動傾向をチェックし、一番多く該当したものがあなたのタイプ。(STEP3)

A.
□ 交際費は月いくらと予算額を決めている。
□ 携帯のオプションサービスを見直したことがない。
□ 定額制視聴チャンネルの会員である。
□ ミネラルウォーターを定期的に購入している。
□ 「会員特典」という言葉に弱い。
□ ジムに入会して挫折したことが2回以上ある。
□ 一度入った生命保険は見直したことがない。
□ 総額が多少増えても分割払いをしがち。

A.「固定費」から見直そう。

毎月決まった支出の「固定費」が多くありませんか?「固定」というと、“必ず支出するもの”“生活に必須のもの”という意識が強くなり、何の疑問も持たずに支払い続けているかもしれません。すべてを列挙し、改めて本当に必要かどうか見極めましょう。少しでもカットできれば、流動費を削るのに比べて生活水準を落とすことなく、家計改善できます。固定費の内容(生命保険、住宅ローン、通信費など)によってはネットや雑誌、書籍で情報収集したり、専門家の知恵も借りながら、ひとつずつ丁寧に見直していきましょう。

[まず見直してみるべきは…]
住宅ローン、光熱費、通信費、保険料など。これらを減らすのは日々の細かなムダのカットではなく、正しく、最新の知識やデータに基づいたテクニック。マメな情報収集が必須なので、ネットでもすぐシミュレーションできる、車の保険や光熱費の支払い方法などから検証を。通信費は状況の変化が激しいので、まずは大手3社のショップを回り、その中でベストだと思うものを見つけてみるのが初心者向け。固定費の中でも一度変更すると戻すのが難しく、商品が複雑な生命保険や住宅ローンなどは、専門家に相談するのが得策。

B
□ レシートは持ち帰らない。
□ コンビニやスーパーに行くと、つい、いろいろ買う。
□ レジ手前にある商品を買うことが多い。
□ 家計簿はつけてみるが、なぜか続かない。
□ 家がどうも片づかない。
□ キャッシュレス決済派だ。
□ 通販番組をつい、見てしまう。
□ セールに弱く、まとめ買いも好き。
□ ATMの引き出し手数料はそこまで気にしない。

B.レシート○×を。中でも「無意識下の 流動費を検証。

“何となく買っちゃった”が多くないでしょうか? 夜のコンビニでふとかごに入れた新商品のお菓子、可愛いと思って買ってみたけれど使わない雑貨……後からなぜ買ったか思い出せないものが多くありませんか? 買う前に本当に欲しいか、本当に必要なものなのか考えるクセをつけましょう。まずできることはレシートチェック。購入したものを冷静に振り返り、買い物が有意義だったかを自分に問いかけて。大事なのは「何」を買ったのかではなく、「なぜ」買ったのか。自分の人生にプラスになる買い物を心がけましょう。

[まず見直してみるべきは…]
このタイプの人は「食費」全般のレシートを見直すと有効。食費は必要経費なので固定費だと思いがちだけれど、“気持ちで使う額が変わる”という意味では、実は大きな流動費の分野でもあります。レシートに〇×をつけていくと、絶対に必要なもの(生活必須の食費)、納得しているもの(とても満足した外食など)、必要のないもの(なんとなく買ったお菓子、まとめ買いして結局余らせたセール食品など)が判明してくるはず。美容費は美容院やマッサージではなく、ドラッグストアなどを含む、化粧品のレシートの検証を。

C
□ Macユーザーだ。
□ 正直、夫は性格よりも、条件で選んだ。
□ 洋服を買う基準は着たい服よりも、よく見える服だ。
□ 流行には敏感なほうだと思う。
□ 健康番組が薦めた食品を実際に試したことが2回以上ある。
□ 試食をしたら、買わないと悪いと思う。
□ 「限定品」と言われると欲しくなる。
□ 『冬のソナタ』放映時、韓国ドラマに(一時的でも)はまった。
□ 「全米が泣いた!」という映画が気になる。

C.レシート○×を。「気持ち」で使っているお金を検証。

他人が持っているとよく見える、なんてことが多くないでしょうか? 家計でも、平均額はいくらなのかに関心が高いタイプです。でも、もっとも大事なのは「自分」がどう考えるか。自分が他人にどう見られるかより、大事なのは自分がいかに心地よいかです。もちろん、どう見られてもいいというワケではありません。ただ、自分が本当に好きなもの、自分はどういうときに楽しくなれるか、自分自身の感覚にもっと意識を向け、自分のためになるお金の使い方を目指しましょう。まずは日記を書いてみるのもいいかも。

[まず見直してみるべきは…]
服飾費や、食費を含む外食、交際費などを見直して。中でも、流行りだからと行ったカフェ、店員に薦められ、その気になって買ったが着ていない服など「ほかの人の影響を受けて買ったもの」と、そうでないものを見比べると、自分の買い物グセが判明。固定費は通信費が要検討事項。たとえばスマートフォンなどハイスペックな機能は本当に必要か、見極めること。住環境に関してもどう選んだのかを振り返ってみる。場所、住宅ローンや家賃、車の有無などの必要性や選び方を見直してみると自分の新しい一面が見えるかも。

青木さやか(あおき・さやか)さん●タレント、女優。舞台を中心に活躍中。一女の母で、犬、猫の保護活動にも従事。舞台『リムジン』(作・演出:倉持裕)に出演予定(5月23日〜6月14日、東京・本多劇場)。大阪、名古屋など全国公演予定。

八ツ井慶子(やつい・けいこ)さん●家計コンサルタント。日本じゅうの家計を元気にすることをモットーに「生活マネー相談室」を主宰。著書に『レシート◯×チェックでズボラなあなたのお金が貯まりだす』(プレジデント社)が。

『クロワッサン』1014号より

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