魚のプロに学ぶ、鰤(ぶり)の選び方と扱い方。
撮影・合田昌弘 文・大澤はつ江
同じ魚を食べるなら、新鮮でおいしいものを選びたい。でも、どこを見て購入すればいいのだろうか? 近年はスーパーなどで魚を買うことが多く、良し悪しが分かりにくいことも。
そんな悩みに根津(東京都文京区)で鮮魚店を営む松本秀樹さんは、
「今は流通が発達しているので、よほどのことがない限り、鮮度が著しく落ちた魚を扱う店はありません。店頭で売れ残ったものは別ですが、そこそこの鮮度とおいしさは保たれていると考えていいと思います。ただ、本当においしい魚となると、やはりそれなりの価格はしてしまうことも」
だからといって高いばかりがいいわけではない。
「スーパーや鮮魚店で魚のどこを見たらいいか、購入したら最初になにをしたらいいかがわかれば、いつもの魚がよりおいしくなる。まず店頭で見るのは形。全体のバランスがいいものを選ぶ。そして小顔がおすすめです」
見た瞬間に顔(頭)が小さく感じるものは、胴体が太く、身が詰まっている場合が多い。
「次は色ツヤ。ツヤがないものは水分がなく干からびている。ぷりぷりして厚みのあるものがいい」
そしてパック入りの魚は、持ち帰ってすぐにしたほうがいいことがある。
「魚の下に敷いてあるペーパーを取り除いてください。血や魚の臭みがドリップとなりペーパーにしみ込んでいます。これを放置しておくと、臭いが魚に戻ってしまう。この臭みは大敵です。ペーパーを新しいものにして魚を包み、保存袋に入れる。このひと手間でぐっと旨みが増す。皮の汚れを落としたり、丁寧に水気を取るなど、手をかければちゃんと応えてくれ、おいしい魚料理が味わえます」
『クロワッサン』1009号より
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