電車、トイレ、レストラン…。アップデート必須の公共マナー。
マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を伺いました。
イラストレーション・五月女ケイ子
【お手洗い】トイレットペーパーに折り目はつけるべからず。
トイレットペーパーを三角に折るのは清掃担当の人がお掃除完了のサインとして残すもの。
「素手で折り目をつけるのは、衛生上問題があるのでやめましょう。最近では、“折り目をつけないで”という注意書きすら目にするように。恐らく、次の人のことを考えての行為だと思うのですが、その気遣いはむしろ、床にトイレットペーパーの破片が落ちていたら拾う、便座が汚れていたら軽く拭く、トイレットペーパーはミシン目に沿って切るなどに使えるといいですね」
次の人が気持ちよく使えるよう、細かな気配りを忘れずに。
【美術館】鑑賞は無理に展示順に回る必要なんてない?
美術展覧会に入るのに120分待ち、という看板を目にすることはもはや珍しいことではない。
「長蛇の列に並び館内に入ったのに、作品を見るのにもさらに長〜い列、という光景をよく見かけます。スタッフが展示順に並ぶ必要はないと伝えているにもかかわらず、です。本来作品は自分の好きな順番で見ていいもの。目の前に人が並んでいない作品から見ることは、決してマナー違反ではありません。どうしても順番どおりに見たいというこだわりがないのであれば、むしろ、目の前に人がいない作品から見たほうがゆったりと鑑賞できるかもしれませんよ」
【映画館】上映中にガサゴソ……。作品が台無しになるかも。
「映画館では、マナーについての映像が上映前に流れるようになっていますが、意外と守れていない人も……」と西出さん。
特に気にするべきなのは、ささいな雑音だという。
「まずは話し声。シリアスなシーンで突然こそこそ話し始める、というのはさすがに我慢して。それから食べ物について。特に持ち込み自由な映画館では注意が必要。音が出やすいものは、予告編が終わる前に食べ切るなど、みんなが映画を楽しめるよう配慮が必要です」
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