くらし

飛び回る子育て。│束芋「絵に描いた牡丹餅に触りたい」

私の友人で、まだ子供が1歳にもならないうちから、仕事の都合で世界中を飛び回っている家族が何組かいる。皆、ヨーロッパ暮らし。両親どちらも自身の仕事をもっており、結婚前、出産前から既に世界中を飛び回る生活をしていた人たちだ。

元々そういった友人たちがパワフルなのは知っていたが、両者が仕事を続けながら子供とともに世界を飛び回るというのは、相当計画的でなければできない。お互いの仕事が全うできるようスケジュールを組み、移動や宿泊場所も子供と一緒であることで、その都度、微調整しながら日々を乗り越えていく。当然、お母さんが仕事に集中しているときは、お父さんが単独で子供の面倒を見ることが大前提だ。

先日そんな友人家族が日本に来た。ヨーロッパを出るときはハイハイもできなかったのに、日本にいる間にハイハイも掴まり立ちもできるようになり、子供の安全を確保するために頭を悩ませていた。転々と場所を変え、動き回る自分たちのスケジュールの中で子供はどんどん成長し変化していく。通常の子育てを想像したとき、子供の変化に場所を合わせていくことで解決するのだろうが、彼らの毎日は子供も場所も予期せぬ変化を繰り返す。「今どうするか」ということに臨機応変に対応していく彼らを見ていて、こんな子育てもあるのだなぁ、と感心しきりだ。彼らの子供がいつも本当にご機嫌だったことも印象的だった。

きっと子供はもちろん、両親たちも今後どんどん変化するのだろうと思う。次回会うのがまた楽しみになった。

束芋(たばいも)●現代美術家。近況等は、https://www.facebook.com/imostudio.imo/にて。

『クロワッサン』1006号より

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