膿胸 (のうきょう)
原因と特徴
胸腔が炎症し、膿がたまってしまう病気が膿胸です。胸腔とは、肺が収まっている場所で、正常な場合は液体で満たされており、肺の動きもスムーズですが、膿胸になると膿が蓄積することでさまざまな症状を引き起こします。肺炎や縦隔炎などの感染症が引き金になったり、高齢者や糖尿病患者など免疫機能が低下していたりすると発症しやすい傾向にあります。また、食道や肺などに対する外科手術などの医療行為に関連して合併症として発症することもあります。その症状は急性と慢性によって異なり、急性膿胸の場合は胸の痛みや息切れ、発熱、咳などの症状が、慢性膿胸の場合は、肺機能が低下しているため呼吸困難がみられるほか、体重の低下もあらわれます。これは、胸腔内の膿が体外へと排泄されるためです。
治療
急性の場合は、抗生物質の投与や胸腔ドレナージを行います。慢性化している場合は膿胸の部分を閉鎖するため、胸膜解離術や開窓術、胸郭形成術などの手術が必要になります。