吸収不良症候群

原因と特徴

食べた栄養素を消化・吸収する消化管のいずれかに障害があり、体重減少や貧血などの症状があらわれる病気です。
原因としては大きく3種類あり、まずは消化酵素による消化がうまくいかない場合です。消化酵素の分泌が低下する慢性膵炎や膵臓の切除術後などにみられます。
2つ目は小腸での吸収がうまくいかないケースです。吸収を行う小腸の粘膜に異常が生じると、栄養を吸収する面積が減り、消化障害が起こります。
そして3つ目はリンパ管拡張症などにより吸収した栄養を全身に供給する働きがうまくいかないケースです。いずれも体重減少や貧血、むくみなどが主な症状であり、ビタミン不足によって血が出やすい出血傾向や、唇の端が赤く腫れてただれる口角炎、全身の倦怠感などがあらわれます。ただし、自覚症状がなく本人が発症に気づかないことが多く、健康な人では感染しないような日和見感染症を発症して初めて病気に気づくことも少なくありません。

治療

原因となる病気に対する治療と、低栄養状態を改善する栄養療法や薬物療法を行います。栄養療法は患者の状態に応じて、食事療法、経腸栄養剤の使用、点滴投与があります。

監修

前田裕輔 (まえだ・ゆうすけ)

グランプロクリニック銀座院長

関西医科大学卒。内科専門医、日本抗加齢医学会専門医。

https://granpro-clinic.com/

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