うっ滞性皮膚炎、慢性静脈還流不全 (うったいせいひふえん、まんせいじょうみゃくかんりゅうふぜん)
原因と特徴
うっ滞性皮膚炎は膝下にむくみや赤み、皮むけなどができる皮膚の病気です。長時間の立ち仕事や妊娠、加齢、肥満などが原因であり、下肢血流の循環が悪くなることで、血管から皮膚への酸素や栄養の供給が不足し、炎症や色素沈着が起こります。初期症状では、よく歩いた後などに膝下のむくみが生じますが、休むと軽減します。しかし徐々にむくみが繰り返される頻度が高くなり、皮膚が赤くなって細かく皮がむけるといった症状があらわれます。また、慢性静脈還流不全とは静脈の循環がうまくいかず、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)や疼痛(とうつう)、むくみ、湿疹などを生じさせる疾患群です。どちらも治療が不十分だと、皮下脂肪まで炎症が及び、皮膚が全体的に硬く厚くなって痛みや圧痛を生じる硬化性脂肪織炎という病気のリスクが高まるため、注意しましょう。
治療
脚に血がたまらないようにするため、弾性ストッキングや弾性包帯の着用をすすめたり、生活習慣の改善の指導をしたりして予防と改善の治療をします。湿疹や皮膚炎がある場合には外用薬が処方されます。