からだ

Vol.46トイレの回数が増えています。【40歳からのからだ塾WEB版】

  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

自分の尿量・回数を知るために
排尿日誌をつけてみよう!

このようにトイレが近い原因はさまざま。病気だけが原因とは限らないので「排尿日誌をつけてみるといいですよ」と小内さん。自分の1日の尿量を把握し、食事や水分摂取についても記録しておくと頻尿や多尿の原因を見つけやすくなります。

排尿日誌のつけ方
●排尿日誌とネット検索して記入例を入手
●計量カップや100mLごとに印をつけた紙コップに尿を取って計測し記録する(なるべく3日以上)

ここをチェック
1日の尿量が大人で1500mlぐらいあれば水分は摂れています。また、通常、膀胱に150〜200mlの尿がたまると初期尿意を感じ、大人では300〜400mlぐらいまで尿を膀胱にためることができます。1回の排尿で150ml以下しか尿を溜められない場合やトイレが近くて生活に支障が出ているなら、かかりつけ医か泌尿器科を受診しましょう。

トイレの回数を減らすコツ
こんな方法も試してみましょう。
●水分を摂りすぎていたら減らす
●寝酒の習慣は改める
●コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料をとりすぎていたら控えて、ハーブティーや麦茶、カフェインレスコーヒーにしてみる

病院での診断や治療はどうなる? 怖くない?

「受診すると医師は、問診、超音波検査や尿検査などからほかの病気がないかどうかも調べて診断します」(小内さん)。上記の質問表はセルフチェックにもなりますので、ぜひ活用してくださいね。

過活動膀胱の治療には、膀胱の異常な収縮を抑える薬や蓄尿機能を高める薬が使われます。
過活動膀胱は深刻な病気ではないけれど、外出しづらくなったり、仕事や家事に身が入らなくなるなど、生活の質を低下させてしまいます。よって、「薬を飲むか飲まないかは、患者自身が決めていい病気なのです。薬の服用でトイレのことを忘れられた、漏れることが減った、夜よく眠れるようになった、もっと早く治療を受ければよかったという人は大勢います。薬は旅行中や外出時だけ飲んでもかまいませんよ」(小内さん)

トイレの悩みで活動範囲が制限されてしまうのは残念ですよね。
受診をためらうような痛い検査もなく、過活動膀胱なら治療で症状を軽くすることができます。「恥ずかしい」と諦めずに、病院で相談してみてください。


ご協力いただいた医師
小内友紀子さん ときわ会常磐病院 泌尿器科
こうち・ゆきこ●東京女子医科大卒業。同大学病院泌尿器科を経て、福島県いわき市のときわ会常磐病院勤務。専門は尿失禁や排尿機能の障害。医学博士。オールアバウトガイド。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!

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