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【がん体験者に聞く】ショックは受けたけど、人生をやり直す機会と捉えるように。

33歳の時に若年性乳がんと診断された塩崎良子さん。放射線治療終了後は鬱状態になりながらも、あることがきっかけで新たな一歩を踏み出す機会を得たと振り返ります。

撮影・千葉 諭

26歳の時に起業、セレクトショップやドレスレンタル専門店などを経営していた塩崎良子さん。華やかなファッション関連の仕事だった。が、33歳の時に若年性乳がんとわかり、術前抗がん剤治療中にその会社を畳む。

「その時の自分の状態と華やかな事業内容があまりにも乖離していて、もう無理だと思って。抗がん剤で髪が抜ける、胸がなくなるとかは生存率を上げるためには仕方ないと思えたけど、いざ会社の看板を下げた時は悲しくて本当にショックでした。社会との接点がなくなり、自分のアイデンティティが〝がん患者〟になっちゃったって……」

「基本的には楽天家でポジティブ」なはずだったが、治療中はさまざまな局面でショックを受け、何度も落ち込んだ。特に放射線治療が終了した途端、もう何もすることがないと鬱状態になった。仕事をする気にもならずにいた時、主治医から日本乳癌学会のファッションショーの企画運営を依頼される。当初は鬱状態で乗り気でもなかったそのショーに実際関わって、心が動いた。

「治療中の患者さんが、坊主頭の人もゴージャスなドレスに負けないぐらい輝いている。人の美しさって外見だけなじゃい、人生の瞬間瞬間をまっとうする姿って素晴らしいと思いました」

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