お米を中心にした和食が、 日本人の胃腸を元気にする。
撮影・小出和弘
糖尿病予防やダイエットのために炭水化物である主食の量を大幅に減らす糖質制限を続けている人も多いが、「糖質制限食と低脂肪食を一定期間摂った人を比べた研究によると、体重は糖質制限食のほうが落ちたが、体内の脂肪に関しては低脂肪食のほうが1.7倍落ちたというデータがあります。炭水化物は水と結びつく性質があるので、糖質制限によって体内の水分が減ったのではないか?とも考えられます。ただ、もとから糖質を摂りすぎていた人は痩せるでしょうね」健康的に糖質制限ダイエットをするなら、主食を3分の1減らす程度にとどめるべき、と奥田さんは助言する。
主食は何を食べたらいいのか? ごはんでもパンでもいいのだろうか。
「パンは手軽に食べられて便利ですがアミノ酸バランスはお米のほうがよい。小麦を粉にして作るパンと違って、お米は粒のままなので、糖質が水をしっかり抱え込み、同じカロリーでも食べ応えがあり腹持ちもいいのです。ごはんがどんなおかずとも合うのに対し、パンが卵やソーセージなど、脂質の多いおかずと相性がいいのも要注意点です」
日本人の腸内環境がよい理由のひとつに、昔から食物繊維をしっかり摂ってきたことがあげられる。しかし現在食物繊維の摂取量は戦後まもない頃に比べると3分の2に減ってしまっている。健康のために野菜を食べようという意識は高まっているのに食物繊維の量が減っているのは、穀類からの摂取が3分の1にまで大きく減ったことが原因。現在の腸内環境を守るためには、白米に加えて、玄米、大麦、雑穀などの穀類をしっかり食べることが大切だ。
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