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胃腸の老化を遅らせ、がんのリスクを減らす食べ方。

食事に気をつけたら、胃腸を若々しく保てるのか? がんの予防にも関わる食生活のコツを消化器の専門医に聞いた。

撮影・小出和弘 料理製作・井原裕子 文・後藤真子

「よく、胃腸を若く保つ秘訣を聞かれるのですが、胃と腸はつながってはいるけれど全く別の臓器なので別々に考えましょう。まず、胃についてですが、胃の老化はピロリ菌が原因のことが多いので、食べ物でなんとかすることはできません。胃に負担をかけすぎない、胃もたれしない食生活ということであれば、脂っこいもの、味の濃いもの、甘いもの、アルコールの4つの“あ”を控えることぐらい」

と、消化器専門医の大竹真一郎さん。

「ただ、粘膜の修復に有効とされるビタミンUを含むキャベツは胃にいい食材といえるでしょう。昔から、脂肪分の高いとんかつを食べる時にキャベツが添えられていたのは先人の知恵なんですね。それから、消化酵素のジアスターゼを含む大根おろしもいいと思います」

大竹さんは、なにより大切なのは腸であると続ける。

「腸は内臓のなかでもっとも老化しやすい臓器だということがわかってきました。腸内環境の大切さは広く知られてきましたが、腸内環境の悪化はそのまま腸の老化に直結し、それはからだ全体に影響を及ぼす。また、大腸がんのリスクも高まります。健康もアンチエイジングもがん予防も、腸内環境をよくすることが鍵なのです」

腸内環境の悪化を知らせるメッセージのひとつが便秘。便秘すると便が長時間腸の中にとどまり、老廃物も滞留する。その結果、悪玉菌が増えて腸内菌のバランスが崩れてしまう。悪玉菌を増やさないためには肉食を控えること。善玉菌を増やすためには、食物繊維をたっぷり摂ることが大切だ。

「食物繊維には水溶性と不溶性のものがあります。水溶性と不溶性を1対2の比率で摂るのが理想です」

不溶性食物繊維ばかり摂ると、便のカサは増えるのに水分は不足し、かえって便秘しやすくなってしまう。バランスよく摂るには、どんな食材がどちらの食物繊維を多く含んでいるのかを知っておきたい。水溶性を多く含むのは、ネバネバ食品や海藻、柑橘類、キャベツ、大根など。不溶性を多く含むのは豆類、キノコ、サツマイモなど。

「両方をバランスよく含んでいるキウイ、アボカド、オクラ、納豆などを積極的に摂るのもいいですね」

おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎さん
おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎さん
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