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知っていますか?患者さんの心を癒す、セラピーキャットの仕事。

気ままで、飼い主の思いどおりにならないイメージの猫が、病院で重要な仕事を担っているという︒その一日とは。

撮影・清水朝子

患者さんの膝には、自ら進んで乗る。「夫や息子の膝には乗らないのに、不思議です」と小田切さん。
患者さんの膝には、自ら進んで乗る。「夫や息子の膝には乗らないのに、不思議です」と小田切さん。

アニマルセラピーは、療養病棟フロアに入院する人が自由参加する。今回は60名のうち、体調と気分のよい21名が出席した。セラピー時間は60分。初めの40分はふれあいタイム、残りが相棒犬アントンとのお散歩タイムだ。まずは広場に患者が大きな円になって座り、一人ひとりの膝の上にヒメやアントンが順番に座って、患者に撫でてもらう。「今日はシャンプーしたばかりなんですよ」、小田切さんがそう言うと、患者たちは鼻をヒメに近づけてにっこり微笑む。なんでもない行為のようだが、患者の顔はみるみるほころび、笑顔が満ちていく。

「ヒメはいい匂いがする」「体調はどうですか」などと、患者さんと小田切さんの会話も弾む。
「ヒメはいい匂いがする」「体調はどうですか」などと、患者さんと小田切さんの会話も弾む。

「長い入院生活で日々の活動がマンネリ化してくる中、アニマルセラピーは4年前から導入されました。患者さんの中には犬や猫を飼っていた人が多く、この活動を心待ちにしている人もいる。なかなか言葉が出なかった患者さんが名前を呼び掛けたり、車いすの人が歩く意欲を持ち始めたりするんです。動物の力は計り知れません」

ひととおり触れ合ったら、 アントンはお散歩の時間。 一人一人と5mほど歩きます。
ひととおり触れ合ったら、 アントンはお散歩の時間。 一人一人と5mほど歩きます。
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