全身の病気を引き起こす、口腔内の健康について考える【治療の最前線】
撮影・小川朋央 イラストレーション・松栄舞子 構成&文・堀越和幸
治療の最前線
エアフロー|しつこい汚れをジェット水流で除去
5,000円〜
歯と歯の隙間にある歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を除去するスケーリング。通常は専用の器具を使ってカリカリ落とすが、近年は空気と水を混ぜた高速の粒子を吹き付けて落とすエアフローを導入する歯科医が増えている。痛みがより少ないクリーニング法だ。
セレック(被せ物の治療)|小型の3Dカメラで口内を正確にスキャン
10万円〜
粘土で型を取り、それを歯科技工士に回して待つこと1〜2週間。被せ物が完成する通常の流れだが、この〈セレック〉のシステムは最短1日でセラミック製の被せ物が装着可能。手順はカメラでスキャンして素材を加工、表面を滑らかに削って完成。通院の手間を省く最新システムだ。
セレック(詰め物の治療)|経年劣化しにくい、セラミックの詰め物
5万円〜
こちらはセレックを詰め物に使用した例。通常、保険内の詰め物はプラスチックやパラジウム合金だと2,000〜3,000円からが相場だが、セレック治療は5万円くらいが目安になる。が、金属より歯に馴染みがよく、10年たっても劣化しないというデータがあり、注目されている。
iTero| 3Dで計測する、精度の高い矯正
40万〜80万円
歯列矯正はワイヤーを使ったブラケットがポピュラーだが、最近はより装着が目立たないマウスピース矯正が人気。中でもiTero(アイテロ)という最新の3Dスキャナーを使って作るマウスピースは短時間でより正確な歯並びのデータが取れる。従来の歯型取りをせずに済む点でも好評価だ。
ポリリン酸ホワイトニング| 「痛い」「しみる」をより少なくした施術
1万5000円(1回1時間)~
これまでのホワイトニングは薬剤の過酸化水素が歯の色素を分解する時に強い刺激が伴うのが常だった。それがポリリン酸の登場で「痛い」「しみる」という欠点が改良され、ステイン(着色汚れ)も付着しにくくなった。写真はLED照射器でポリリン酸を活性化させているところ。
※治療費の目安は各歯科医院によって異なります。
『クロワッサン』1127号より