全身の病気を引き起こす、口腔内の健康について考える【セルフケアで口の健康を守る】
痛くなったら診てもらおう、ではキケン!というのが最新の予防歯科の考え方。歯は体の健康とどう関係する?かめい⻭科クリニック院⻑の亀井孝一朗さんに聞いた。
撮影・小川朋央 イラストレーション・松栄舞子 構成&文・堀越和幸
口内の潤いを取り戻し、歯周病菌に対抗する
口呼吸は鼻呼吸よりも口の中が乾燥しやすい。先般のコロナ禍のマスク着用により、口呼吸が癖になった人は増えたとみられている。そしてその乾いた環境こそが、歯周病菌の好物なのだそうだ。
「口が乾くと唾液が口の中の細菌を洗い流す作業がぐんと落ちるので歯周病は進行しやすくなります」
キーワードは唾液だ。亀井さんがあげるのは次の4つの習慣。
「水分補給、キシリトールガムを噛む、食事の咀嚼回数を増やす、そして唾液腺のマッサージ(下イラスト)です。これらで口の潤いを取り戻しましょう」
口、舌を活発に動かして生きる活力を上げる
年齢を重ねると“食べる機能”は徐々に落ちる。そしてそれが誤嚥性肺炎を招くことがある。
「誤って気管に入ってしまって肺炎を招くのは食べ物よりむしろ口の中にある細菌です。ジンジバリス菌という毒性の高い歯周病菌は、高齢者は特に注意が必要です」
そうならないためにも日頃のちょっとしたケアでオーラル・フレイル(虚弱)対策を試みよう。
「“舌十字ストレッチ”(下イラスト)は嚥下機能を上げるだけでなく唾液腺も刺激します。舌の働きが気になる人は、歯科医院で舌圧検査を受けてみるといいでしょう」
『クロワッサン』1127号より
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