体を守るために、50代から覚えておきたいこと
イラストレーション・川合翔子 文・長谷川未緒
病気の家族歴があれば自費でも検査を
病気の中には遺伝的な影響が大きいものもあるため、近親者に次のような病歴がある場合は、費用がかかっても追加で検査しよう。
たとえば乳がんは、自治体実施の検診では偶数年のみの場合もあるが、毎年検査したい。大腸がん検診は便潜血検査のみであるため、貧血や血便、下痢や便秘が続くなどの症状がある場合は大腸CTや内視鏡検査を。卵巣がん、膵臓がんは5大がん検診に含まれないため、人間ドックなどで一度は検査したほうがいい。
ほかにも家族歴が関係する病気がある。受診頻度等は医師に相談しながら、定期的に検査を。
家族歴が関係する病気
・乳がん
・高コレステロール血症
・卵巣がん
・高血圧症
・膵臓がん
・糖尿病
・大腸がん
・認知症
症状がなくても一度は胃内視鏡検査とピロリ菌検査を
胃内視鏡検査は、胃バリウム検査ではわからない病気(逆流性食道炎など)を発見できる。昔と比べて管が細くなり、鼻から入れられるので嘔吐反射が少なく、鎮静剤の投与ができる病院もある。
50代以上に多い胃炎などを引き起こすピロリ菌検査も受け、感染していたら除菌を。
同じ病院で毎年受けると、変化に気づける
人の体には個人差があるため、健康であっても基準値から外れることがある。また異常とまでは言えないが、健康な状態から悪化している途中段階の可能性も。健診やがん検診を毎年同じ病院で受けるようにすると、そうした個人の状態や変化の過程を前年と比較でき、病気の早期発見につながる。
手軽なリスク検査で病気の早期発見も
最近はがんの発症リスクを調べる尿検査や、便で大腸の状態がわかる腸内フローラ検査などがある。認知症や心疾患、生活習慣病などのリスクがわかるAI解析も。体への負担がなく簡単に行えるため、全く症状がなくても気になる人はおすすめ。ただし、確定診断には画像検査などの精密検査が必要。
50代、60代は健診や検診に自費の検査を組み合わせて
健康を守るためには、自分の年齢でリスクの高い病気の検査を必要な間隔で受けることが大切。50代、60代はがんや心臓病、脳血管疾患などさまざまな病気のリスクが高まってくる年代だ。一般的な健診だけでは見抜けないこともあるので、医師に相談しながらオプション検査を追加したり、人間ドックを受けるなどしよう。
検査の組み合わせ例
・飲酒歴がある人
健診の肝臓数値チェック+ 腹部エコー
・高血圧の人
健診の血圧チェック+ 脳ドックや心臓ドック
・タバコを吸う人
健診の胸部レントゲン+ 胸部CT
・家族に乳がんの人がいる
検診のマンモグラフィ+ 乳腺エコー
『クロワッサン』1127号より
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