堀ちえみさん「人工股関節で元気を取り戻しました」
撮影・天日恵美子 スタイリング・佐藤友美 ヘア&メイク・納富順子 文・長谷川未緒
人工股関節で元気を取り戻しました
堀ちえみさん(歌手、タレント)
「人工股関節の手術を受けるかどうか迷われる方が多いみたいですが、痛みを我慢するより、手術をしたほうがいいと思いますよ」と話すのは、タレントの堀ちえみさんだ。
自身が難病指定の「右側特発性大腿骨頭壊死症」のために手術を受けたのは、2015年4月末。その1年ほど前から腰痛が始まり、腰をかばっているうちに、膝、足首とあちこちに痛みが生じてしまった。
「整形外科や整体などを回りましたが、ずっと原因がわからなかったんです。ようやく病名の診断がついたときには、一番強い痛み止めを飲んでも、痛くて歩けないほど。治療法は手術以外にないと説明されました」
感染症のリスクや、出血に備え事前に採血しておく必要があること、その後のリハビリを乗りこえられるのかなど、不安がなかったわけではない。
「マイナスなことばかりが頭に残って、大丈夫かな、と。でも、ひとりでは歩くのもままならない状態で、一生痛みと付き合わなければならないのかと絶望していたので、手術で痛みから解放されるならばと決断しました」
手術は6時間ほどで成功し、翌日からさっそくリハビリを開始。腰のあたりを30cmほど開いたため傷の痛みがある中でのリハビリに弱気になることもあったが、走れるようになった人の例を励みにした。
股関節に負担をかけない座り方や入浴法などの日常動作と運動のリハビリを続け、10日で退院。その後は週に1回、3カ月ほどリハビリに通い、回復した。
「股関節のストレッチはずっと続けているものの、現在は年に1回、レントゲンを撮っての経過観察のみです。人によるとは思いますが、私の場合は動きの制限もありません。痛みがなく歩けるだけでもありがたいのに、ステージ上でヒールを履いて踊ったり、走り回ったりできていますよ」
デメリットといえば海外旅行時に金属探知機に反応することと、少し冷えやすいことくらい。自前の股関節で感じるようなだるさや疲れもないため、両脚とも置き換えてしまえばよかったと冗談が飛び出すほどだ。
「どの病気も痛みほどつらいものはないですし、不具合があれば治すのは歯の治療と同じ。そう考えれば、抵抗感もなくなるのではないでしょうか」
トップス、ブーツ(共にRANDA) パンツ(HIROKO KOSHINO)
『クロワッサン』1135号より
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