健康を意識した良い買い物グセを習慣づけるために意識したいこと
撮影・土佐麻理子 イラストレーション・本田しずまる 構成&文・保手濱奈美
良い買い物グセを習慣づけるために意識したいこと
まずは献立を考えてから、買い出しに行くように意識しよう。
「献立の基本は、肉や魚、豆腐、卵などを使う主菜と、野菜を中心とした副菜、これにごはんなどの主食をプラスします。肉については、悪い買い物グセで脂に含まれる飽和脂肪酸に触れましたが、脂を切り分ければ重要なたんぱく源になりますし、筋肉や肌、髪の毛をつくるもととなる栄養素でもあるので欠かせません。また、魚にはアンチエイジング効果が期待できる良質な脂が含まれているため、肉だけでなく、魚も増やして1対1くらいの割合で摂るのが理想的です。なお、50代女性に最低限必要なたんぱく質量は一日50グラム。例えば、肉100グラムにたんぱく質は20グラム弱という量なので、肉や魚以外の食材からも、たんぱく質を摂るようにしましょう」
さらに、乳製品や野菜も必須。
「閉経後に低下しがちな骨量をサポートするため、乳製品からカルシウム、野菜からは抗酸化作用のあるβ–カロテンやビタミンを摂取してください」
これらを以下のバランスで買うように習慣づけると心身ともに自然と生き生き。さらにフルーツなど、ほかの食材もその都度プラス。それぞれの選び方は、下の食材コーナーを参照のこと。
いつもの食材の理想のバランス。
全体の中で野菜が多め。「旬の野菜の中から、色の濃い緑黄色野菜と色の白い淡色野菜をバランスよく買いましょう。肉と魚は毎回2割ずつではなく、今回は肉4割、次回は魚4割と長期で考えても大丈夫。肉・魚以外のたんぱく源とは、大豆製品や卵など。乳製品は牛乳やヨーグルト。1週間分の献立を考えるのは大変なので、週2、3回買い出しすると考えやすいでしょう」
フルーツコーナー
キウイやバナナ、柑橘類は積極的に取り入れて。
フルーツからは、ビタミン、カリウム、食物繊維が摂取可能。「おすすめは、手頃な価格で季節を問わず手に入るキウイ。食物繊維も摂れるりんごやバナナは、お通じの促進を期待して朝に食べるといいでしょう。また、みかんなどの柑橘類は、フルーツのみに含まれる良質なビタミンCが豊富です」
野菜コーナー
緑黄色野菜やきのこに豊富な栄養素は50代以上の味方。
「トマトやほうれん草、かぼちゃといった緑黄色野菜には、抗酸化作用のあるβ-カロテンが多く含まれています。白菜などの淡色野菜ばかりでなく、3分の1は緑黄色野菜を摂るように意識しましょう。また、骨の健康に欠かせないビタミンDが豊富なきのこも、50代以上におすすめです」
惣菜コーナー
手間のかかる副菜はお惣菜に頼るのも一案。
健康的なラインナップが増えている惣菜コーナー。「筑前煮など使用する食材の数が多く、作るのにひと手間かかる料理はお惣菜が便利。副菜を作るのが面倒……という時も、かぼちゃやひじきの煮物などを活用するといいと思います。あまり無理せず、お惣菜にも上手に頼って心身の負担を減らしましょう」
加工食品コーナー
肉系より魚系がベター。魚の代わりのたんぱく源に。
ハム、ソーセージといった肉系や、さつま揚げなど魚系の加工食品。「いずれにしても小さい割に塩分がけっこう含まれていることも。肉系の加工食品は脂質も気になるので、毎日は食べないほうがいいかも。一方、イワシのつみれなど魚系なら栄養は摂れるため、塩分を気にしつつ、魚の代わりに摂るのはアリ」
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