コリほぐし&顔筋トレで、自然で明るい笑顔を取り戻す。
自宅で簡単にできる方法を、顔筋コーディネイトの考案者に教えてもらいました。
撮影・青木和義 スタイリング・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 モデル・倉澤和枝 文・辻さゆり
顔は表情筋の集まり。筋肉だけは自分で変えられる。
年齢を重ねると体が硬くなって、筋力も衰えてくる。それは骨と筋肉で成り立っている顔も同じこと。Katsuyoさんは顔の筋肉に着目してコリをほぐし、鍛えることによって見た目の印象を変える技術を考案し、顔専用のジムを東京・南青山に開設している。
「顔立ちや骨格にかかわらず、冷たさを感じる人もいれば、幸せを感じさせる人もいます。そんなふうに顔の印象を左右しているのがじつは表情で、顔の微細な筋肉、表情筋によって成り立っています。顔の造形や骨組みは変えられませんが、筋肉だけは自分の管理次第で変えることができる。小さい筋肉で変化も実感しやすい場所です」
顔は感情や脳が思ったことが投影されるキャンバスのようなもの。感情を出さないように努めていても、心の動きは顔の筋肉に反映される。
「特にストレスが多い人は、筋肉自体が緊張して硬くなり、偏った表情癖やコリにつながります。その状態で笑っても、ひきつった笑顔や嘘っぽい笑顔になってしまう。まずはキャンバスとなる顔のコリをほぐしてから、感情が表れやすい目元、口元を攻略していく。短時間でいいので日々行うことで筋肉を管理できるようになれば、自信につながります。表情も自然と明るくなり、『あの人、いい年の取り方をしているね』と言われるようになりますよ」
【STEP1】キャンバスである顔を整える。
始めにコリをほぐして顔筋を柔らかくする。
人の顔には30種類の筋肉があるが、3割ほどしか使われていないそう。
「そのわずか3割の部分に日々負荷がかかるからコリができる。気になるシワや溝といった顔の凹凸は、筋肉の硬いところと柔らかいところが混在することによって生まれたものです。顔筋を鍛える前に、まずはキャンバスとなる顔の硬いコリをほぐしていきましょう」
用意するのは、指のすべりをよくする水溶性のジェルやクリーム。
「サロンでは専用の器具を使いますが、手指を使ったやり方でも大丈夫。コツは顔の表面だけをこするのではなく、筋肉にしっかりとアプローチして骨からはがすように動かすこと。動かす方向さえ間違えなければ、しっかり力を入れても大丈夫ですよ」
手のつくり方
軽く握りこぶしをつくり、手のひら側を手前にして指の第2関節全体を使う。細かい箇所やピンポイントに効かせたいところは、人差し指の第2関節を少し立てて使う。
中心から外に向かって骨についた筋肉を剥がす。
年齢とともに筋肉は顔の中心に萎縮しがち。上写真のように手の形をつくり、人差し指の第2関節を目の下に当ててぐっと力を入れてプッシュする。
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骨にへばりついた筋肉を顔の中心から外側に向けて剥がすように、押しほぐす。目の下、小鼻、最後は顎からの3カ所に分けて、各3〜5セット。
フェイスラインのコリを緩めながら持ち上げる。
普段から気持ちが張り詰めている人はフェイスラインが硬くなっているので、きれいな輪郭が出にくい。人差し指の第2関節を口角の下に置いてプッシュ。
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斜め45度の角度で顎を削るように頬骨まで押し上げる。内側から少しずつ外側に指をずらし、5回を3セット。
頬肉をまっすぐ上に持ち上げてしまうと目の下にシワができるので注意。
額全体を、筋繊維に沿って下から上に押し上げる。
思い悩むことが多いと額に力が入り、横ジワができてしまう。人差し指の第2関節を横ジワに突き立てるようなイメージで垂直に当てる。
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額の筋繊維は基本的に縦についているので、下から上にシワを断ち切るようにぐっと押し上げていく。額全体を中央から外側へ。3セット。
【STEP2】表情の要となるパーツを整える。
【目元】眼球を支える筋肉をほぐして鍛える。
目の周りの筋肉をゆるめることは、筋肉の可動域を広げて動きをよくし、目がしっかり開くことにつながる。
「いきなり鍛えてしまうと、逆に強固なコリを作ってしまいます。まずコリを取ってから鍛えること。目の玉を支える外眼筋は、自分で鍛えないと動かない筋肉。額を動かさないように注意して行ってください」
目元の表情筋が弱っていると…
疲れ顔
不安顔
(眼球)目の周りのコリを取ることが先決。
ほぐす
目頭の下に人差し指の第2関節を置き、目尻までクルクルと螺旋を描くようにほぐす。次に目頭と眉頭の間に人差し指の第2関節を置き、目と眉の間を螺旋を5回描いて目尻まで。各3〜5セット。
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涙袋をきれいに出し、まぶたの筋トレ!
鍛える
まず、鼻の脇の筋肉を使って涙袋を出す(上写真)。涙袋を保ったまま片方の目に手を当てて隠し、開いている目の斜め上に人差し指を置き、5秒見つめる。反対の目も同じように。左右各5セット。
(眉毛)コリができやすい皺眉筋(しゅうびきん)をほぐす。
ほぐす
眉間のシワの正体は、硬くこわばったコリ。左右の眉頭から斜め45度上に向かって、人差し指の第2関節でシワを開くように下から上に指を動かしながらコリを取る。3〜5セット。
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上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)を鍛えて眉山の高さを整える。
鍛える
眉毛をまぶたの力でぐっと持ち上げる(上写真)。そのまま目を外側に広げるイメージで、両目それぞれ斜め外側上を5〜10秒見る。目尻に力を入れて額にシワが寄らないように。3〜5セット。
【口元】 口角の位置を上げれば顔の印象が変わる。
「口角は位置が大事。鼻先から唇のトップと鼻先から口角までの距離の差が2cm以内なら、元気そうで明るいイメージになります」
また、スマホを見る時間が長いと、前傾姿勢が続いて首の筋肉も衰える。
「首も自分で鍛えなければならない部位の一つ。鍛えれば二重顎の解消だけでなく、ハリ感も手に入ります」
口元の表情筋が弱っていると…
二重顎
不満顔
(マリオネットライン)口角から顎までの三角エリアをほぐす。
ほぐす
マリオネットラインができる人は、下顎から口角までの三角エリアが硬く張っている。顎から口角まで、人差し指の第2関節を少しずつずらしながら、下から上へ5回、押すように引き上げる。3セット。
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鼻の横の筋肉を使うのがポイント。
鍛える
鼻の脇の筋肉を使って口角を引き上げて涙袋を作り、上の歯が4本見えるように唇を開きながらハート形にする(上写真)。そのまま上の歯が8本くらい見えるように口を横に開く。5セット。
(顎)溜まっている老廃物を流すように。
ほぐす
二重顎を脱する第一歩は、フェイスラインをすっきりさせるところから。顔を60度くらい上に向け、喉のところに人差し指の第2関節を置き、外側に向けて螺旋を描きながら押しほぐす。5回。
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下顎だけ動かして喉を前後に。
鍛える
顔を60度上げ、軽く口を開けて下顎を突き出し、顎先に力を入れながら喉を前に出しては戻す動きを10回、3セット行う。下の歯が見えるくらい突き出すのがポイント。口角が下がらないように。
『クロワッサン』1114号より
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