固まる前にこまめにストレッチ。1分伸びで不調を早めに撃退!
体を気持ちよく伸ばして、不調をためない体に。
撮影・小川朋央 イラストレーション・鈴木菜津子 モデル・倉澤和枝 スタイリング・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・恩田貴子
多くの人が悩む、腰の痛みや肩のコリ。ストレッチトレーナーの中田雄大さんいわく、これらの不調は筋肉が固まっていることが原因なのだそう。
「筋肉は動かさないと緊張し、硬くなる性質を持っています。不調の多くは硬くなった筋肉により、血流が滞ることで起こります。ストレッチは筋肉の緊張をやわらげるもの。姿勢の悪化も予防できるので、ぜひ暮らしの中に取り入れて、気がついたときにこまめに伸ばしてみてください。筋肉が上手に使えるようにもなるので、体がグンと動かしやすくなるはずですよ」
ストレッチの効果を高めるポイントは、“動きを止めないこと”。
「動かさないと固まるという筋肉の性質上、ストレッチ中は継続して体を伸ばし続けるよう心がけてくださいね」
[固まりレベルチェック]
(□ 気持ちいい)→ 柔らかい
(□ 痛気持ちいい)→ まぁまぁ固い
(□ 痛い)→ けっこう固い
(□ わからない)→ ほぐれにくいほど慢性的に固まっている
■ 20秒×3セットで1分行う。
■ 反動をつけずに伸ばし続ける。
\起きた瞬間、寒い!朝から全身がこわばる。/
一日の中でも体温が低い朝。寒さも加わり、筋肉は緊張して動きが悪い状態に。そんなときは無理に伸ばさず、筋肉の動きをよくする準備体操として、関節にアプローチ。可動域を広げ、動きやすい体へと整えよう。
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股関節を大きく回して体の動きをスムーズに。
うつ伏せになり、天井に足の裏が向くように左膝を曲げる。膝を起点に、かかとで円を描くように足を回す。内回し、外回しを各30秒ずつ行ったら、反対側の足も同様に。「これは股関節にアプローチするストレッチ。足は、かかとがお尻につくくらい大きく回して」
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肩を大きく動かして可動域をアップ。
あぐらをかいて座り、肘は自然に軽く曲げて両腕を肩の高さに上げる。高さをキープしながら、腕の付け根から大きく円を描くように、両腕を前後に30秒ずつ回す。「肩関節を意識しながら、ゆっくり腕を回しましょう。胸だけで小さく動かしてしまわないように注意」
\仕事中、前のめり姿勢で肩まわりがガチガチに。/
肩関節につながる筋肉をリセット。
椅子に座り、右腕を前に伸ばす。手のひらを上に向けたら、ゆっくりと腕を上げ、20秒間、肩関節まわりが伸びるよう腕を後ろ方向に伸ばし続ける。肩が耳につくイメージで。3セット行ったら、反対側の手も同様に。「痛みがある場合は、上がるところまででOKです」
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肩甲骨の裏側の筋肉をじわ~っと伸ばす。
両腕を上に伸ばし、右手が前にくるようにして手首同士をひっかけて交差させる。右手で左手を押すようにしながら、ゆっくり20秒間、上体を右側に倒し続ける。元の位置に戻し、これを3回繰り返したら、今度は左手が前にくるように手首を組み直し、左側に倒す。
\よい姿勢を取ろうとしすぎ?気づけば腰が反っている。/
中田さんによると、キレイな姿勢を取ろうとして腰を反らしている人が多いそう。これでは自ら反り腰のクセを作ってしまっているようなもの。硬くなっている背中と前ももを伸ばして、体のクセから直していこう。
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前ももを意識しながらストレッチ。
椅子の背もたれなどに右手をつき、左手で左足を持つ。痛くない程度に左足を上に引き上げたら、20秒間、上半身を前に倒していく。3回行ったら反対側も同様に。「背中を丸めるように前に倒していくことで、上体もリラックスし、しっかり伸ばせます」
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背中の筋肉を伸ばして腰を反るクセを解消。
椅子に座り、腕を背もたれにひっかけ、頭の重さで背中を下方向に自然に伸ばす。肩甲骨の下あたりを起点に、20秒間、上半身を反らせる。3セット行う。「椅子は背もたれの高さが肩甲骨の下程度まであるものがベスト。なければクッションなどで高さの調節を」
\長時間座り続けて腰が痛い!/
座り続けているとどうしても硬くなってしまうのがお尻の筋肉。お尻が硬いと腰にも負担がかかるため、腰痛が発生してしまう。腰の側面の筋肉も硬くなっていることが多いので、両方にアプローチしよう。
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腰痛を引き起こす〝硬いお尻”をじんわりほぐす。
椅子に座り、片方の足首を反対側の膝の上にのせる。背中を丸めないように意識しながら上半身を前に倒し、お尻の筋肉を伸ばす。20秒×3セット行ったら足を組み替え同様に。「組んだ脚が床と水平にならない人は、軽く膝を手で押さえると効果がアップしますよ」
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マッサージではほぐれない筋肉をやわらかく。
椅子に座り、足を大きく開く。右手を側頭部に添え、上半身を左に少し傾けながら左手を床に向けて伸ばす。20秒×3セット行ったら、反対側も同様に。「床に手を着けようとがんばりすぎてしまうと、逆効果。気持ちいい程度に、腰の側面が伸びればOKです」
\スマホでドラマを1時間も。下向き姿勢で首が疲れた。/
うつむいた姿勢を長時間続けると、首から背中につながる筋肉がガチガチに。スマホ首になる前に、ストレッチで筋肉をほぐしていこう。首の疲れの解消には、あごから鎖骨につながる筋肉のストレッチが効果大。
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頭を前に倒してスマホ首を予防しよう。
椅子に座って両手を組み、後頭部に添え肘を閉じる。あごが鎖骨に近づくように頭を真下に倒し、20秒間、首の後ろを伸ばす。これを3セット行う。「倒すときに手で頭を押さず、腕の重さだけで頭を倒して。こうすると、無理なく首の後ろの筋肉が伸びていきます」
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首を伸ばすと口角が上がるうれしい効果も。
椅子に座り、両手のひらを合わせる。親指をあごの下のくぼみに添えて、ゆっくりと上を向く。20秒×3セット行う。このとき、首から鎖骨にかけてつながる筋肉が伸びるよう意識して。「頭を後ろに反らせるのではなく、あごを天井に向けるイメージで行うのがコツ」
\荷物が重くて首が前に出ていたかも…。/
重い荷物を持つとき、背中が丸まり、首が前に出る。そんな人は、実はお腹が硬くなっている可能性も。頭が前に倒れがちになれば、首コリも併発。鎖骨から耳につながる筋肉を伸ばすことで、緊張を緩和させて。
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お腹を伸ばしてきれいな姿勢を取り戻す。
左足を前にして足を前後に開き、左手を脇腹に添える。右手を頭に添え、左手で脇腹をグイッと押しながら、上半身を左やや後方に反らす。20秒×3セット行う。反対側も同様に。「脇腹の前面が伸びると、自然と首のポジションが整います」
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首の緊張をほぐして動きをスムーズに。
手首が背骨に当たるように、腰のあたりに左手を添える。首を右側に傾けたら、右手を頭にのせ、ゆっくりと頭を傾けながら首の側面を伸ばしていく。左右の肩の高さが水平になるよう心がけ、20秒×3セット行う。反対側も同様に。「首を元の位置に戻すときもゆっくりと」
『クロワッサン』1110号より
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