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その枕とマットレスで大丈夫?自分に合った寝具で負担を減らす。

朝起きた時、首や肩、腰に痛みがある人は、枕やマットレスが合っていないのかも……。
寝具をアップデートして、肩こり&腰痛をやわらげよう。

撮影・黒川ひろみ イラストレーション・オガワナホ 文・熊坂麻美

「睡眠中は体に負担がかからない寝姿勢をとること、寝返りをスムーズに打てることが大切です」とは、銀座三越で寝具などのアシスタントバイヤーを務める清水越美さん。枕が高すぎたり、マットレスが沈みすぎたりすると、首や肩、腰に荷重がかかりやすいという。

「体形や骨格によって合う寝具は人それぞれ。パートナーと寝具は共有せず、各自に合ったものを使うのが理想です。寝心地や睡眠の質が向上します。寝具は長年同じものを使っている人が多く、不調を感じていなくても、実は自分に合っていないケースもあります。これを機に見直してみては」

Q1.最近、朝起きると腰が痛いです。敷き布団は腰に悪いのですか?

A
体を支える厚みと弾力があれば問題なし。
腰部分の沈みやへたり感がないか確認して。

敷き布団のみでも適度な厚みと体を支える弾力があれば問題ありません。
腰に痛みが出ているのは、長年の使用で布団がへたり、体を支えきれていない可能性が高いです。布団に横たわった時に腰の部分が沈みすぎていないか、全体にへたり感がないか確認を。
腰をしっかり支えてくれる、床に直接敷けるマットレスや、今使っている布団の上に重ねて使えるマットレスパッドを検討してみても。

その枕とマットレスで大丈夫?自分に合った寝具で負担を減らす。
〈西川〉エアー SXマットレス(レギュラー) 97×195×9cm 17万6000円。
〈西川〉エアー SXマットレス(レギュラー) 97×195×9cm 17万6000円。

独自の凹凸構造で体を点で支えて体圧を分散するマットレス。充分な硬度と弾力性を持ち、腰に過度な負荷がかかりにくい。

〈エアウィーヴ〉エアウィーヴ02 97×195×7cm 11万円。
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敷き布団やマットレスの上に敷いて使うマットレスパッド。腰部分のサポートを強化し、睡眠中の腰の負担を軽減し、自然な寝姿勢を保つ。

Q2.ベッドのマットレス、いろんな種類があって選べない!

A
素材の特徴、好みの寝心地や
ライフスタイルを考慮しましょう。

マットレスは、コイル、ウレタンフォーム、ファイバーと素材により主に3種類。
コイルマットレスは弾力性が高く重量があり、ほかのマットレスに比べると耐久性も高めです。
ウレタンマットレスは体が包まれるような寝心地、ファイバーマットレスはお手入れのしやすさや軽さが特徴です。
実際に試して好みの寝心地やライフスタイルを考慮して選んでください。

〈 マットレス素材 〉

コイル

主にポケットコイル(写真)とボンネルコイルがあり、ポケットコイルは個々に不織布に包まれたコイルが独立して並び、体を点で支える。ボンネルコイルは露出したコイルが連結。面で支え、やや硬めの寝心地。
主にポケットコイル(写真)とボンネルコイルがあり、ポケットコイルは個々に不織布に包まれたコイルが独立して並び、体を点で支える。ボンネルコイルは露出したコイルが連結。面で支え、やや硬めの寝心地。

ウレタンフォーム

高反発と低反発があり、寝返り時の音がしにくく、フィット性にもすぐれる。気密性が高い分、ほかの素材に比べて通気性は劣るが、凹凸構造や複数のスリットなどで睡眠中の蒸れを軽減したマットレスもある。
高反発と低反発があり、寝返り時の音がしにくく、フィット性にもすぐれる。気密性が高い分、ほかの素材に比べて通気性は劣るが、凹凸構造や複数のスリットなどで睡眠中の蒸れを軽減したマットレスもある。

ファイバー

適度な反発力があり復元性が高いため、経年しても比較的寝心地が変わりにくい。通気性があって蒸れにくく、水洗いもできて衛生的。マットレス自体が軽いのもメリット。熱や直射日光には弱い。
適度な反発力があり復元性が高いため、経年しても比較的寝心地が変わりにくい。通気性があって蒸れにくく、水洗いもできて衛生的。マットレス自体が軽いのもメリット。熱や直射日光には弱い。

Q3.腰痛や反り腰、巻き肩の人は どんなマットレスが 適していますか?

A
腰や肩に負担をかけない自然な「立ち姿勢」を保てるものを。

腰に不調がある人は、柔らかすぎず硬すぎない、寝返りが打ちやすいマットレスがおすすめです。適した柔らかさは体形や骨格によって違うため、仰向けになった時、「立って背筋を伸ばした時の姿勢」を保てているかを目安に。
柔らかすぎると腰が沈んで背骨が自然なカーブにならず、硬すぎると体全体に圧がかかり、どちらも腰に負担がかかってしまいます。

背骨がまっすぐ、床と平行になるのが横向きの正しい姿勢。下側の肩や腕が圧迫されないよう、マットレスの硬さと枕の高さで調整を。
背骨がまっすぐ、床と平行になるのが横向きの正しい姿勢。下側の肩や腕が圧迫されないよう、マットレスの硬さと枕の高さで調整を。
立った時と同じ姿勢で寝ると体にかかる圧力が分散されやすい。背骨が自然なS字カーブを保つのが理想の寝姿勢。
立った時と同じ姿勢で寝ると体にかかる圧力が分散されやすい。背骨が自然なS字カーブを保つのが理想の寝姿勢。

巻き肩の人は肩から上部が柔らかめのマットレスを。仰向けになった時に両肩が適度に沈んで胸がしっかり開きます。部位で硬さを選べなくても体圧分散タイプなら同様の効果が得られます。

ただ、枕の高さが合っていないと肩に負担がかかりマットレスの効果は半減。寝返りが打ちやすい高さを選びましょう。

Q4.マットレスと枕の寿命はどれくらいですか?

A
マットレスは素材によって10年前後、枕はだいたい3~4年を目安に。

寝具の寿命は、素材、使う人の体形や使用状況にもよりますが、マットレスは高反発ウレタンやファイバー製は6~8年、ポケットコイル製は8~10年、綿ものの敷き布団なら2~3年が買い替え時とされます。

枕は一般的に3~4年、長いものでも5年程度といわれ、購入後2年以上経っていて外側の生地の変色やにおいが目立ってきたり、寝返りしにくくなったり、ボリュームがなくなってきたら買い替えを検討してみてください。

マットレスも枕も、経年使用で劣化。寝心地の低下を感じたら買い替え時。
マットレスも枕も、経年使用で劣化。寝心地の低下を感じたら買い替え時。

Q5.首や肩が凝るので枕を替えたい。選び方のポイントは?

A
自分に合う高さを選ぶのが最重要!
マットレスとの相性も考慮して。

枕は敷き寝具と首の間のすき間を埋めて頭を支え、正しい寝姿勢をつくる役割があります。首のカーブにフィットする高さを選ぶことが重要です。高さが合わないと首や肩の筋肉に負担がかかり、寝返りを妨げてコリや血行不良のもとに。

合う高さは自分では判断しづらいので、店頭で見てもらい、使用中の枕に近い素材を選ぶと、違和感なく取り替えられます。

また、柔らかすぎるマットレスを使っている場合、枕のサポート力が低減したり、体が沈み込んで寝返りを妨げ、首や肩が凝ることも。枕と合わせ、マットレスも見直してみましょう。

首のカーブが浅いストレートネックの方は、低めの枕が適しています。ただ、柔らかすぎると頭の重みでつぶれて首が不安定に。サポート力の高い高反発の素材がおすすめです。

ストレートネック

首の湾曲が少なく、敷き寝具とのすき間が狭いため、低めで首をしっかり支えてくれる枕が適している。
首の湾曲が少なく、敷き寝具とのすき間が狭いため、低めで首をしっかり支えてくれる枕が適している。

通常の首のカーブ

自然なカーブを描くのが正常な状態。敷き寝具とのすき間が多少あるので、低すぎる枕は首・肩の負担になる。
自然なカーブを描くのが正常な状態。敷き寝具とのすき間が多少あるので、低すぎる枕は首・肩の負担になる。

〈 枕の素材は、感触・通気性など好みで選ぶ 〉

●ファイバー
樹脂製ファイバーで編んだ高反発素材。通気性がよく水洗いでき、へたりにくい。

●ポリエステル綿
柔らかく弾力性がある。吸湿性は低いが水洗い可能。使ううちにへたりやすい。

●そばがら
吸湿性と通気性がある。硬めが好きな人や夏用に向く。寝返りの際に音がする。

●パイプ
通気性が高くダニやカビが発生しにくい。感触は硬めで寝返り時に多少音がする。

●羽根
主に水鳥のフェザー(芯付きの羽根)が使われ、通気性と保温性、適度な弾力がある。

●ウレタン
高反発と低反発があり、柔らかさとフィット感が特徴。通気性は低く水洗い不可。

  • 清水越美

    清水越美 さん (しみず・えみ)

    銀座三越アシスタントバイヤー

    心地よい睡眠環境づくりを提案する銀座三越のコンシェルジュサービス「Good sleep tour」を企画。睡眠やライフスタイル関連の知識が豊富。

『クロワッサン』1110号より

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