黒米と発酵。肌にしっくりなじみ、根本から高める、日本古来の知恵を現代に。【倉田真由美の「最新私的コスメ図鑑」】
撮影・市原慶子 スタイリング・大沼 静
さまざまな西洋文化の洗礼を受けてきた私たち。その反面、日本に古来から伝わるものの価値を見失っていたのかもしれない。
新ブランド「FAS(ファス)」は、そんな思いからスタートした日本人による日本人のための、日本の素材を用いたスキンケア。使ってみると、今までのどの製品より肌にしっくりなじむ心地よさがあり、たとえるなら丁寧に作られた日本食のような存在だ。
「FAS」のキーとなっているのは、古来から酒や味噌作りに使われてきた発酵技術。今や欧米メーカーも注目する技術だが、どの酵母を選び、どんな素材と組み合わせるか? また、どんな環境で発酵させるかによって出来は大きく異なる。
試行錯誤の末、アントシアニンを多く含む京丹後の黒米と、1万種もの中から選んだ酵母を組み合わせ、二段階発酵させるという手の込んだ処方を採用。そうして誕生した黒米発酵液には、738種もの成分が含有されており、黒米と発酵の恩恵を余すところなく受けられる。
シワやハリなど、一つの悩みに特化した製品もいいけれど、大人の肌には、あらゆる悩みが混在している。だから「FAS」を使うと、透明感がでた、なめらかなハリがでた、というように人によって使用実感が異なる。それはつまり、肌全体を根本から高めるため、肌の状態によって変化の表れ方が異なるということ。
古人たちが暮らしに役立ててきた日本伝統の知恵は、賢くてオールマイティ。今こそ、自分たちの足元を見つめ直し、自分らしい丁寧な暮らしを美容でも行いたい。
『クロワッサン』1103号より
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