実は口内環境が腸に影響!? 腸の病気を予防する口腔ケアと唾液を出すためのマッサージ。
徹底ケアで、腸も健康に!
撮影・青木和義 イラストレーション・ヤマグチカヨ 文・長谷川未緒
私たちの口内には500種以上の菌が生息している。それらの菌を唾液とともに飲み込んでも胃酸でブロックされると考えられていたが、最近の研究で一部の菌が腸まで到達することがわかってきた。
弘前大学医学部附属病院歯科口腔外科の古舘健さんによると、
「口内と腸内は細菌叢(そう)が違うため本来は定着しないのですが、免疫機能が落ちていたりすると腸内に定着することがあります。
口腔菌の一部が大腸がんや炎症性腸疾患などの発症に関わっているという報告がありますし、歯周病菌をマウスに経口感染させると、アルツハイマー型認知症の発症に関連する物質が増加したという実験結果も。
ですから腸のみならず、全身の健康のために口腔ケアはマストです」
口腔内の菌の増殖を防ぎ、清潔に保つには、大小2種類の歯ブラシを使い、磨き残しがないようにブラッシングを。歯磨き粉はフッ素の濃度が950ppm以上のものを選んで。
唾液には抗菌機能があるが、年齢を重ねるにつれ分泌が減ってくる。ガムを噛んだり、おしゃべりをして口を動かし、唾液腺を刺激して唾液を出そう。
唾液腺クルクルマッサージ
●耳の前をクルクル
指を両耳の前、耳たぶの近くに当てる。耳たぶ側から前へ円を描くようにやさしくマッサージして、大きい唾液腺である耳下腺(じかせん)を刺激。
●頬の下をクルクル
指を頬の下あたりに当てて、軽く押しながらゆっくりと円を描くようにマッサージ。口の中に600〜1000個ある小唾液腺(しょうだえきせん)を刺激する。
●顎の下をクルクル
指を顎の下、首側に当て、円を描くようにマッサージ。唾液の分泌量が多い顎下腺(がっかせん)と、舌の動きに応じて唾液を出す舌下腺(ぜっかせん)を刺激。
『クロワッサン』1085号より
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