のぼせや疲労感などの更年期症状の悩み、どうケアしたらいい?
撮影・森山祐子 イラストレーション・ヤマグチカヨ 文・長谷川未緒
Q. のぼせや疲労感、イライラ……。 更年期症状が今も続いています。
A.閉経後の女性ホルモン分泌量低下による不調は、趣味と食事で上手につきあおう。
男性も女性も、40代後半から50代前半にかけて性ホルモンの分泌が減少する時期を、更年期といいます。
思春期があったように、更年期も誰にでも訪れます。とはいえ、50歳の男性は20歳のときに比べて3分の1程度分泌量があるのに対し、女性の場合は20分の1程度と激減するので影響大です。
更年期障害といわれる症状は、卵巣機能の低下に伴って分泌される性ホルモンは減少しているのに、脳の視床下部が「まだまだがんばれ」と分泌の指令を出すことで、バランスが乱れて起こります。
のぼせ、ほてり、発汗、めまい、動悸といった体の不調から、イライラや落ち込みなどの情緒不安定まで、さまざま見られます。とくにストレスが大きくかかる仕事をしている人や、人前に出ることが多い人、生真面目で几帳面な人などは、症状が強く出る傾向があります。
更年期障害の症状を緩和するには、新しい趣味を始めて日常の中に楽しみを見つけたり、ときめいたりと、脳にいい刺激を与えることが効果的。
キャンプや畑仕事などは、自然の中で土に触れることでリラックスできるので、とくにおすすめです。生活に支障をきたすほどつらい場合には、医療機関を受診し、天然型のホルモン補充療法を検討するといいでしょう。
なお、女性ホルモンとしてよく知られるエストロゲンには、E1(エストロン)、E2(エストラジオール)、E3(エストリオール)と3種類あります。
おもに性成熟期はE2、妊娠期はE3を分泌し、閉経後の女性はE1を分泌するのですが、同じ女性ホルモンでも働きが異なります。
E2、E3は、女性らしい体を作り、ストレス耐性を高め、筋肉や骨密度、記憶力などを保ってくれます。対してE1は、そうした働きは弱い一方、細胞のがん化を招いたり、LDLコレステロールを増やしたり、腸内環境の悪化を招いたりすることも。E1の影響を減らすためには、代謝を助けるアブラナ科の野菜を積極的に摂取するようにしましょう。
『クロワッサン』1066号より