その人が持つ魅力を引き出す「ディファインメイク」に、平野ノラさんが感動。
撮影・タカハシトミユキ スタイリング・青木千加子 ヘア・Takeshi(SEPT) メイク・水野未和子(third) イラストレーション・植松しんこ 文・松本千登世
【このメイクと装いで、 早く春を楽しみたいと軽やかな気持ちに。】
(a)
ラインもシャドウも自由自在に描けるアイペンシル。スモーキーなニュアンスを含んだトープカラーが大人の目元に美しい影を演出。「指でぼかせるので、自然な印象に仕上がります」(水野さん)。SNIDEL デザイニング ペンシル 04After the Rain 2,970円(スナイデル ビューティ TEL.03・3261・9968)
(b)
パウダーながら、じんわりと肌の一部になる"新湿感"。「頬に溶け込んで、生き生きとした血色に」。SUQQU メルティングパウダーブラッシュ 02春音 6,050円(SUQQU TEL.0120・988・761)
(c)
唇を染めるように鮮やかに発色しながら軽やかにフィットして、セカンドスキンのような心地よさが長時間持続。「内側から外側に広げるように指でなじませるのがポイント」。ルージュ アリュール インク 234エヴォカシオン 4,950円(シャネル カスタマーケア TEL.0120・525・519)
aをまぶたの際に入れ、眉に向かって三角にぼかし、目の下の際にもひと塗り。チークは目の下から逆三角にbをふわりと。
メイクは自分との対話を叶え、楽しい未来へと導くもの。
「最小にして最大の効果」を謳うディファインメイクで、フレッシュな表情を見せてくれた平野さん。メイクで際立たせた立体感や生命感に、春の新色をプラスオンすることで、また違う「顔」を体現しました。
「ディファインメイクは、透明感に溢れていて、ピュアで可憐な感じ。一方、春を先取りしたこのメイクには『意志』を感じました。凛としているけれど、きつくない、ゆとりも感じさせるからか、奥にセクシーさも宿っている……、そんな印象。
このメイクって、目元と口元がちゃんと同じ土俵にいる感じがして。どちらかが強調されることなく、どちらも1ミリも出すぎていなくて、見事なまでに調和していると感じました。プロに対して失礼かもしれないけれど、本当に素晴らしいな、って。
じつはこの写真を撮影した日はとても寒くて、私、靴下とレッグウォーマーを履いていたんです。でも、ね……、いざ写真を撮るときになったら、心はもう“素足”(笑)! このメイクと装いで、早く春を楽しみたいと、とても軽やかな気持ちになりました」
メイクは笑顔を導き、内なる輝きを解き放つもの。平野さんを前にそう確信します。改めてメイクの意味とは?
「自分との対話を叶えてくれるもの、かもしれません。
事実、若いころは“これさえなければ”とか“もっとこうだったら”とコンプレックスばかりに目が向いていたわけですし。
でも、あるとき、私の目は意外とぱっちりとしているんだよね、と気づいた。この目を生かすアイシャドウは? と考え始めたら、眉の形は? 髪の色は? と自分への問いかけが数珠つなぎに湧いて、自分に向き合うことにつながったんです。これこそが、対話。すると、コンプレックスにも向き合える。
例えば私の場合、ハイネックが苦手だったんですが『似合わない』で終わらせるのでなく、じゃあ、私に似合うのは? と突き詰めるとVネックならいいのかも、と発見や工夫が生まれるんです。自分で自分の実験をするというのかな。そう、私、人生は実験の繰り返しだと思っているので(笑)。すると楽しめるんですよね、コンプレックスも」
自分との対話が、今を楽しくする、未来を楽しくする。わくわくしてきました。
「こうして撮影の機会をいただくようになってしばらく、実は服に対して“これが好き”とか“これは苦手”と口にしていたんです。でも、40歳を境に自分ルールを外して、プロに委ねようと決めたんです。すると、ハイネックは似合わないと思い込んでいたけれど、意外といいじゃん、と思えたり、あまり好きじゃなかった色がすごく似合うと思えたり。
思い込みに引っ張られていたけれど、年齢を重ねて自分も変化しているのだから、似合わないが似合うに、嫌いが好きになる場合もあるなあ、と。何でも吸い込む“スポンジ”になってみたら、未知の私が生まれるようで。ディファインメイクもまさに、そう。自分でも気づいていなかった、新しい扉を開けてくれました!」
“自分でも気づかなかった新しい扉を開けてくれました。”
“私自身に向き合うと、発見や工夫が生まれるんです。”
『クロワッサン』1064号より
広告