その人が持つ魅力を引き出す「ディファインメイク」に、平野ノラさんが感動。
撮影・タカハシトミユキ スタイリング・青木千加子 ヘア・Takeshi(SEPT) メイク・水野未和子(third) イラストレーション・植松しんこ 文・松本千登世
「最小にして最大の効果」で、自分の顔を好きになる。
シンプルなテクニックながら、ひとりひとり、その人の魅力が際立つ顔をつくるのが〝ディファインメイク〟の特徴。
水野 顔にある色だけを使って、光と影で立体感を掘り起こし、血色で生き生き感を仕込み、顔や眉、目や唇の輪郭をはっきりとさせる。すなわち、その人の魅力を「ディファイン(明確化)」するんです。
平野 感動しました。変身や改造を狙ったビフォー&アフターの差ではなく、確かに私の顔なのに、そして普段よりずっと薄いメイクなのに、全然違う。
自分が生かされている、というのかな。ひとつの作品として客観視しても「私の顔って、けっこういいよね」と(笑)。
メイク慣れしている私は、どんなメイクも予想を超えることはないと思っていたんですけど、このメイクはそれを遥かに超えていて。ああ、私はこういう顔だったんだ、と驚いています。
水野 私、ノラさんがもともと持っている骨格のメリハリも目元の奥行きも、頬にうっすらとあるそばかすも、とても魅力的だと思うんです。ノラさんにしかない美しさを生かしたいなあ、と。
平野 娘が今、11カ月。子育てに慣れ、少し楽になったんですけど、それに甘え、食べ過ぎて4キロ太ったんです。なんと出産前の体重に。本当に悔しくて。今の顔を見て、やっぱりもったいない、戻そう、と思いました(笑)。
水野 「ときめき」が「起点」になるんですよね。もちろん、私はメイクアップアーティストなので、メイクがその起点になるとうれしいけれど、もしかしたら、何でもいいのかもしれない。
髪形を変えるでもいい、床を磨くでもいい、その人自身がときめくことから、美しさが巡り始めると思うんです。他人と比べることでもトレンドを追いかけることでも誰かの真似をすることでもない、「自分軸」の美しさはここにあるんじゃないかと。
自分だけの美しさを見つけ、愛せたら最高。しかし、実際、目が向くのはコンプレックスやエイジングなど、ネガティブなポイントばかり。
平野 中学時代、男子に言われたんです。「えらと頬骨さえなければ、めちゃくちゃ可愛いのに」って。自分でもうすうす気がついていたんですけど、ね。試しに、フェイスラインを真っ茶色に塗って鏡を見たら、あらっ、おニャン子クラブに入れるんじゃない?って(笑)。目に視線を集めれば、コンプレックスは相殺されるかも、と思う自分が出てきて、顔の見方が変わりました。
水野 皆、嫌いなところはたくさん言えるけど、好きなところを問うと口をつぐむんですよね。
誰もが完璧じゃないし、完璧が美しいわけでもない。だから嫌いよりも、好きを見つける心がけをしてほしいと思います。そう、他人に褒められたところを生かすのもいい。私の場合、「離れた目が可愛いですね」って(笑)。まわりと比べないで自分を認めることから、美しさが始まるのだと思います。
【薄いメイクなのに、 自分が生かされている、 というのかな。】
(a、b)
粉感のないしっとりとした新感覚。「自然になじむマットと動くたび光が流れるハイライトで絶妙な立体感を」(水野さん)。
a・アディクション ザ ブラッシュ マット 006M Naked Veil、b・アディクション ザ ブラッシュ ニュアンサー 005N Aurora Veil 各3,300円(アディクション ビューティ TEL.0120・586・683)
(c)
生っぽさが残るほのかなツヤで生き生きとした表情に。「リップクリームのようにラフに塗って」。RMK ザ リップカラー 03ノー デコ 3,850円 *3月4日発売(RMK Division TEL.0120・988・271)
(d)
ひと塗りで自然に色づいて立体感のある眉に。「眉毛をとかすように塗布してから、眉全体を指先で押さえてなじませるのがコツ」。ジェルスルシル 102 3,850円(クレ・ド・ポー ボーテ TEL.0120・86・1982)
フェイスライン全体を囲むようにaでシェイディングを入れ、ピンクの箇所にbでハイライトを入れてメリハリを強調。
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