あなたの心身を「うるおす」「ゆるめる」「あたためる」10の習慣。
原因は、ホルモンバランスや自律神経、腸をはじめとする内臓や血液、筋肉など体の内面からのSOS。
いくら外側や表面的な対処をしても根本的な解決にはならないからーー
水分や食事の摂り方、生活習慣、エクササイズで臓活、温活! 潤・温・巡が揃うことで理想の体に。
イラストレーション・小林マキ 構成と文・板倉みきこ
日常でできる、あなたの心身を「うるおす」「ゆるめる」「あたためる」10の習慣。
1.自分のストレスのもとに気づく。
めぐりのいい体になる第一歩は、血行不良や冷えなど、体調不良をもたらしたストレスの原因を知ること。
「心理的なストレスが原因なのに、ただ休もうとしても心身は休めないし、家で過ごすことがかえってストレスを増やす場合も。自分の不調のもととなった、慢性的、または急性の強いストレスを見つけましょう」(杉岡さん)
2.息を吸う時間の倍の時間をかけて吐く。
「自律神経の乱れを自分で整えられる、唯一の方法がゆったりした呼吸です。パソコンやスマホの使用時間が長い人ほど、深呼吸をする時間を定期的に持ちましょう」(松村さん)。
「イライラしたら、体内が低酸素状態でストレス過剰のサイン。吸う時間の倍の時間をかけて吐く、を3回繰り返せば体も緩まります」(杉岡さん)
3.紫外線、過度な運動、 過労、大気汚染、 大量飲酒を避ける。
細胞が元気なら、代謝が活発になる。
「そのためには、細胞にダメージを与え、老化を加速させる活性酸素を体内で増やさないことです。紫外線や大気汚染から肌を守り、過度な運動、過労、大量飲酒を避けましょう。抗酸化作用のあるビタミンCや、細胞を元気にするビタミンEを取り入れるのもおすすめです」(松村さん)
4.体を休めるより、こまめに動いてみる。
運動不足の人が感じる疲労は、体を休めるより動かすほうが解消しやすい。
「運動ストレスがない状態が続くと、コルチゾール産生や、筋肉、血管に悪影響が及びます。適度な運動で身体機能が改善することも多いのです」(杉岡さん)。
「日々こまめに動いたり、家事を運動のように行うのでも充分効果的です」(松村さん)
5.腸内環境を整える。
腸内環境の悪化は炎症を招き、その修復にコルチゾールが必要となる。
「腸のバリア機能が損なわれて免疫力が下がりますし、ストレス耐性も低くなり、さらにコルチゾールが不足するという負の連鎖が起こるのです。善玉菌を増やす食生活を心がけ、炎症の原因となる糖分、小麦、乳製品の摂りすぎを控えましょう」(杉岡さん)
6.日常にメリハリをつける。
家時間が増えたことでストレスが減ったと思いきや、疲労感や体調不良を訴える人は相変わらず多い。
「自律神経の働きには、緊張と弛緩、メリハリが大事なんです。休息や睡眠で回復しないなら、メリハリ不足の可能性大。ずっと家で過ごさずに、散歩に出かけたり、誰かと会話したり、適度な刺激を挟みましょう」(杉岡さん)
7.今の自分の健康、 不健康の基準を知る。
更年期前後は、特に体調に変化が起こりやすい。
「若い頃の自分を基準にして頑張りすぎたり、体の変化に落胆するのは間違い。今の自分が心地よく過ごせる健康の基準を把握して、気にすべきところ、放っておいていいところを分別しましょう。加齢とともに体の状態は変化していくと気づくことも大事です」(松村さん)
8.甘いものでストレス解消しない。
糖の過剰摂取は血糖値を急上昇、急降下させ、感情が不安定になる。
「感情の乱れはコルチゾールの出番を増やし、コルチゾールが不足するとストレスが緩和できず、さらにイライラが高まって糖を求める悪循環が生まれます。ストレス解消を甘いものでしている自覚がある人は、そこから改めてみるといいですよ」(杉岡さん)
9.筋肉ストレッチで血管をストレッチする。
ストレッチは、筋肉だけでなく血管にも効果的だと杉岡さん。
「筋肉が伸びると同時に血管も伸びます。その結果、血管が緩んで血流が上がり、血管内皮細胞から血管の弾力性を維持する、一酸化窒素という物質が出ます。動脈硬化を防ぎ、血管を若返らせたいなら、定期的にストレッチで血管を緩ませて一酸化窒素を出すことです」
10.たんぱく質、良質な油を積極的に取り入れる。
食生活の改善も必須。
「細胞の膜の成分は油。細胞膜の健康維持のために、適量のよい油を日日取り入れましょう。魚の油、アマニ油、えごま油、オリーブオイルなどの良質な油は、腸の炎症も抑えてくれます」(杉岡さん)。
「閉経後は骨量が減るので、骨や筋肉のベースとなるたんぱく質もしっかり摂りましょう」(松村さん)
『クロワッサン』1059号より