ストレスや自律神経の乱れからくるイライラをマッサージで整える。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓
【イライラ】
精神的なストレスが長期間続いたり、自律神経のバランスが崩れたり、ホルモンバランスが乱れたり。イライラやうつを引き起こす原因は特定しづらい。自分に合った方法を見つけてルーティンに。
イライラへのアプローチ(1)肋骨の際を押す。
長期間ストレスがかかり続けると脳から全身への情報伝達のシステムが乱れ、胃腸などの内臓の機能が低下。その影響で横隔膜の動きが悪くなり、呼吸も浅く速くなって、ますますイライラの症状が悪化する。
この悪循環を断ち切るために、肋骨(ろっこつ)の下を刺激して内臓の機能にダイレクトにアプローチ。まずは体の機能を整えることでメンタルを整える。
椅子に浅く腰かけて肋骨の一番下のラインを確認したら、左右の指先を当てる。
↓
上体を深く前に倒し、さらに指先を肋骨の奥に入れ込んで、5〜10秒圧を入れる。
(手の形)
4本指を曲げて肋骨下にひっかけるように。
4本指を肋骨の内部にしっかり入れて圧をかけるようにする。
イライラへのアプローチ(2)側頭部を押す。
耳の上のやや前方にある側頭筋は、歯をくいしばるときなどに使われる筋肉。ストレスで緊張状態が続いていると、無意識に奥歯をくいしばっていることが多い。側頭筋が常に過剰に働いている可能性がある。
手のひらのつけ根を使ってやさしくマッサージし、緊張をやわらげる。心地いいと感じるレベルで圧を強めたり弱めたりして刺激を。気分がリラックスするはず。
耳の上の側頭部に左右の手のひらを当て、サークル状に回しながらやさしくマッサージ。
(手の形)
4本の指は頭から浮かせ、手のひらの根元でマッサージ。
イライラへのアプローチ(3)後頭部に圧をかける。
耳の後ろ、髪の生え際部分を触ると突起がある。その後ろにあるくぼみの周辺は自律神経と関わりの深い部分。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中の活動時は前者が、夜間のオフの時間には後者が優位になる。ところが、ストレス下では交感神経のスイッチが入ったまま。オフモードに移行できずにイライラが溜まる。後頭部を刺激して自律神経のバランス調節を。
枕の上に頭を乗せ、左右の手で後頭部に圧をかける。寝る前などに行うのがおすすめ。
【ターゲット】
髪の生え際のやや上、凹んだ部分を狙う。
(手の形)
人差し指から小指までの4指で後頭部を刺激。
『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。