それ、背骨の老化かも?痛みや姿勢でかんたんにチェックする方法。
まずは自分の背骨の状態をチェックしてみましょう。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/宇和島太郎、松元まり子
不調や痛みは背骨のS字の崩れ、姿勢の悪さに表れます。
ショーウィンドウなどで偶然目にした自分の立ち姿に愕然(がくせん)としたことはありませんか?
腰が落ちている、顎が出ている、お尻が突き出ている……背骨のカーブに問題ありかも。
(正しい姿勢)
(A)壁を背にして自然に立ったとき、後頭部と肩が無理なく壁につく。耳と肩は一直線上。
(B)壁と背中の間のスペースに手を入れたとき、手のひら1枚分がちょうど入る。
(C)お尻、ふくらはぎ、かかとが壁にくっつく。かかとは壁から5cm程度離れてもOK。
自然なS字カーブを描けていますか?
背骨の老化チェックでも簡単な姿勢の検証を行ったが、不調を引き起こしやすい姿勢にはさまざまなものがある。より詳しく知っておこう。
「正しい姿勢をとってください」というと、多くの人は背すじをピンと伸ばして胸を張る。でも、それは間違い。自然に立った状態で背骨がゆるやかにS字カーブを描いているのが、本当の意味での正しい姿勢。
背骨の前後のカーブが失われていたり、逆に過剰に弯曲していたりすると、まわりの筋肉や関節に負担がかかり、さまざまな不調が引き起こされる。
「また、一見姿勢がよく見えても、筋肉や関節が硬直していて柔軟性がない人もいます。チェック1から5でできない動きがあった人、とくに膝を抱えてゴロゴロ転がれない人は要注意です」
姿勢、内臓の働き、メンタルは三位一体の背骨の健康の要。姿勢がよければ、筋肉や関節の緊張が解かれて、こりや痛みが改善され、内臓の働きもよくなる。内臓の働きが活発になれば食欲も気力も湧いてくる。
逆に気持ちが沈んでいると、姿勢が前かがみになり、内臓が潰される無理な姿勢となり、筋肉や関節にも負担がかかる。
筋肉、関節、内臓、メンタルに最も負担がかからないのが、理想的な姿勢。もう一度、自分の姿勢をチェックして自然なS字カーブが描けているかの確認を。
(不調や痛みを招く5つの悪い姿勢)
【スウェイバック】
下腹がぽっこりした人に多い骨盤が後傾したタイプ。
壁に後頭部がつかず、背中と壁のスペースに手が入らない。骨盤が後傾していて、バランスをとるために首やお腹が前に出ている。
【フラットバック】
背骨がほぼ一直線。腰に負担がかかりやすい。
背骨のS字カーブが失われている。一見いい姿勢のようだが、着地の衝撃や頭の重さの負荷が腰にかかり、腰痛を起こしやすい。
【反り腰】
腰のカーブが強すぎる女性に多い悪姿勢。
壁と背中の間に手のひら1枚分以上のスペースができる。腰椎の前弯カーブが強く、腰が反った姿勢。ハイヒールを履く女性に多い。
【円背】
現代人に最も多いいわゆる猫背タイプ。
いわゆる猫背姿勢。後頭部や肩が壁につかない。長時間のデスクワークをする人に多く、背中や腰に痛みが生じやすい。
【ミリタリー】
軍人のように胸を張った前重心の姿勢。
壁と背中の間のスペースが大きすぎる。極端に顎を引き、胸を張った姿勢をとることで重心が前にかかり、太ももが張り出しがちに。
「自然に立って姿勢をチェック!」(石垣英俊さん)
『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。
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