“がんばり筋”をほぐせば、カラダの線は見る見る細くなる。
撮影・黒川ひろみ ヘア&メイク・大谷亮治 文・嶌 陽子 イラストレーション・植松しんこ
「無理してハードな有酸素運動をしなくても、筋肉のバランスを整えるだけでほっそりした体形になれるんです」
と話すのは、体の仕組みを研究して独自のメソッドを考案したmieyさん。
負荷がかかり硬くなっている筋肉=〝がんばり筋〟をほぐすことで、内側からボディラインが引き締まるという。
運動が苦手な人にもできて、膝や腰に負担がないこの方法で、しなやかなボディラインを手に入れよう。
〝がんばり筋〟と〝なまけ筋〟のアンバランスを正すのが第一歩。
出産後に増えてしまった体重を元に戻そうと、ハードな運動を続けたmieyさん。ところが体重は落ちたものの下半身はムキムキ、上半身はガリガリという理想とは程遠い体形に。
「そこで解剖学を勉強したところ、日常の動きのクセや姿勢の悪さによって、負荷が集中して縮みっぱなしの筋肉=〝がんばり筋〟と、逆に負荷がかからず、ゆるみっぱなしの〝なまけ筋〟ができることを発見。お尻や脚を引き締めようといくら筋トレをしても、いつも使い慣れているがんばり筋が先に働いてしまい、なまけ筋は働かないまま。まずはがんばり筋の張りをほぐすのが先決だと気づいたんです」
筋肉のバランスを整えた結果、mieyさんの体形はみるみるほっそりして、くびれもできた。
「筋肉のバランスを整えれば姿勢も正しくなり、やせやすい体に。骨盤のゆがみを正す動きは特に大事。ぜひ続けて」
筋ほぐしとセットで続けたい、くびれを作る呼吸法。
筋ほぐしと同じくらいに重要なのが呼吸。深い呼吸をすることでやせやすい体になる。
「息を吐く時、横隔膜が上昇するのとともに骨盤にある骨盤底筋群が引き上げられます。同時に体幹のインナーマッスルも刺激されて働くのでエネルギーの燃焼がアップ。これによってやせやすい体になるんです」
横隔膜が大きく上下するよう、意識して深い呼吸をすることが大事。骨盤底筋群が充分に引き上げられることにより、尿もれや子宮脱などの予防、改善も期待できる。
「また、吐く息で肋骨が締まり、ウエストがくびれやすくなるのもうれしいポイント。筋ほぐしのトレーニングの最中はもちろん、電車の中や思い立った時など、日頃から深い呼吸を意識してみて。自然と体の内側から引き締まっていくはずです」
横隔膜を大きく動かすくびれ呼吸をマスター。
(1)姿勢をまっすぐにして、手を肋骨に当てる。5秒かけて鼻から息を吸う。肺が膨らむのを感じて。
(2)肋骨を締めるイメージで8秒かけて口から息を吐き切る。トイレをがまんするように膣を締めて。
【週に2〜3回、がんばり筋 をほぐし、なまけ筋 に刺激を!】
【天井キック】
裏ももをほぐすことで、骨盤の後傾をリセット。
(1)あおむけになり、腰と床の間は手のひらが1枚入るくらい空ける。両手で支えながら左脚を上げる。股関節もひざも90度に曲げる。
(2)かかとを天井に向かって蹴り出すように脚を伸ばす。10秒キープしたら1へ戻り、再び蹴り出す。3回続けたら、左右の脚を交代する。
(応用)タオルを使うと、硬くなった太ももがさらにほぐれるので試してみて。前ももを胸に近づけるように意識しよう。ひざは曲がってもOK。
【プロポーズ】
女性に多い骨盤前傾を、前ももをほぐして正す。
(1)両手と両ひざを床についた姿勢からスタート。この時、手首の位置は肩の真下に置くのがポイント。
(2)左足を大きく前に出して手と手の間に置く。右ひざを少しずつずらしながら、脚を後ろに大きく開く。左足を足幅2つ分ほど左に動かす。
(3)重心を前に傾けながら右ひざを曲げ、左手で右足首をつかむ。かかとをお尻に近づけて、10秒キープ×2回。反対側も同様に。
(応用)手が足首に届かない人はタオルで引っ張ってもOK。最初はなかなかできなくても、少しずつ続けるうちにできるようになる。
(NG)背中や腰を反らすと、骨盤が前傾したままの状態になってしまうので注意。前ももを伸ばすには重心を前に傾けることが大事。