体を温める生姜を無理なく効率よく味わおう!【クロワッサンライターの身になる話】
文・韮澤恵理
生の生姜は体を冷やすの? 温めるの?
生姜は体を温める食材として人気ですが、生の生姜は体を冷やすという説も。本当はどっちなの?って思っている人も多いのでは? 生の生姜に含まれるジンゲロールは急激に発汗を促すので、汗をかいて末端から熱を放射するのは本当です。生姜を干したり、蒸したりすると、ジンゲロールがショウガオールという成分に変わり、体を芯から温めてくれるんです。漢方では、生の生姜を生姜(しょうきょう)、蒸して干した生姜を乾姜(かんきょう)と呼び、その効果は正反対だとされています。
一方、南国では生姜は体の熱を冷ます食材として知られています。末梢血管を拡張して体の熱を放出するため、蒸し暑い気候を乗り切るために効果的であるとされ、暑い国では辛い食材を料理に使うのはこのためです。
でも、これは、頻繁に大量に食べたときの話。私たちが普段の生活で生の生姜を適量食べるなら、毛細血管が拡張して、末端まで温かい血液が行き渡るので、手足の先が冷えてつらいなどの症状の改善に役立つと、漢方と西洋医学を併用している女医さんから伺いました。寒い時期はもちろんですが、疲れたり、同じ姿勢を続けることで血流が悪くなっている女性の冷えやコリには、おろし生姜や生姜の絞り汁をドリンクに入れたり、薬味にするのはやっぱりいいいことなんですね。
手軽で少量ずつ楽しめるおすすめ生姜シロップ!
でも、生姜を少量ずつこまめに摂るのは、意外にめんどう。そのまま冷蔵庫に保存してもすぐに傷んでしまうし、すりおろして冷凍したり、みじん切りにして小分けにするのも手間がかかり、生姜紅茶や生姜湯などアレンジは限られてしまいます。
そこで、まとめて作っておくとすごくおいしくて便利なのが生姜シロップ。面倒なのでは? と思うかもしれないけれど、実はすごく簡単でおいしくて日持ちがする、そんな生姜シロップを紹介します。
【簡単で日持ちする生姜シロップレシピ】
材料(作りやすい分量)
根生姜……250g(3個くらい)
砂糖……250g
レモン汁……1/2個分
水……500ml
作り方
1、生姜は皮をよく洗い、皮ごと薄切りにし、フードプロセッサーにかけてしっかり撹拌して細かくする。
2、鍋に移して水、砂糖とレモン汁を加え、煮立ったら弱火にし、ときどき混ぜながら30分ほど煮詰める。
3、さらし布でしっかり絞る。ガラス瓶を熱湯消毒しておき、シロップを注いで熱いうちに蓋をして密閉。冷蔵庫で1カ月は日持ちする。煮沸消毒したガラス瓶に熱々を注いですぐに蓋をすれば、ジャムと同様に常温でも半年程度保存できる。
冬はホットレモネードに、夏はジンジャーエールにも
この生姜シロップ、包丁やおろし金を使う手間がかからないので、どんな生姜ドリンクより私には便利アイテム。大さじ2〜3をカップに入れて、熱湯を注ぐだけで胃の中から温まるホットドリンクに。レモンスライスを1枚入れると香りが立ち上ってとても豊かな気分になれます。熱い紅茶を注いだり、寝る前ならノンカフェインのハーブティーとも好相性。
夏には冷たい水で割るとさわやか。炭酸水を注げば贅沢な手作りジンジャーエールです。焼酎やラム、ウオッカにちょっぴり加えて水割りやソーダ割りにすると、一日の疲れがホッとゆるみます。かき氷やフルーツにかけても大人味ですよ。
最後のおまけで生姜佃煮も堪能。
シロップ作りでギューッと搾った残りの生姜、意外に量があってもったいなくて……。試しに醤油で炒りつけてみたらこれが絶品。砂糖の甘味がきいているから、市販の生姜の佃煮とはぜんぜん違う。でも甘過ぎることはなく、炊きたてご飯にたっぷり加えてほぐした鮭を混ぜたらごちそう混ぜご飯です。ひき肉に混ぜてそぼろを作っても、いい香りで食感が絶妙。レモンの香りは飛んでしまっているので気になりません。簡単に日々のご飯が温活になるのもいいですね。
おすそ分けしたら、喜ばれて、シロップの残りとは言えなくなってしまったほど。お手頃な生姜を見つけた時にせっせと大量のシロップを作って、寒い日や体が凝り固まったときのためのお守り保存食として棚に並んでいると安心なんです。無添加で安くておいしくて!
皆さんもぜひ試してみてください。
広告