体の芯まで温める炭酸入浴剤がスゴい!簡単な自作の方法も紹介【クロワッサンライターの身になる話】
文・韮澤恵理
血行促進!皮膚から吸収される炭酸ガスが毛細血管を刺激します。
一日の疲れを癒やすには、シャワーですませずに湯船に浸かるのが大切なことは誰もが知っています。バスタイムを楽しくし、疲れや冷えの解消になる入浴剤を使う人も多いでしょう。好きな色や香りでリラックスしたり、温泉成分で解消効果を期待する人も。それぞれに特徴がありますが、冷えが気になる寒い時期にイチオシなのは炭酸入浴剤。シュワッと発泡するのが楽しいだけでなく、すごい健康効果があるんです。
「血流をよくするなら炭酸入浴剤がおすすめ」という話は、毛細血管研究の第一人者、ハーバード大学医学部客員教授の根来秀行先生に伺いました。入浴剤を湯に投入するとふわ~っと発泡しますが、これは炭酸ガスで、皮膚の表面に細かな気泡がつくのもこのため。目に見える泡だけではなくて、実はお湯の中にも炭酸ガスがたっぷり溶け込み、皮膚から吸収されるのだそう。炭酸イオンが毛細血管を刺激すると。血管の内皮細胞が血管を拡張させる一酸化窒素を分泌することがわかっています。
血液は約1分で全身を巡ると言われています。皮膚表面の毛細血管で生まれた一酸化窒素は、全身の血管を拡張するので、血行がよくなるのですね。普通の湯では、皮膚の表面から温まるのに対し、体の芯まで効率よく温める効果が期待できるのが炭酸浴なんです。
炭酸入浴剤は多くのメーカーから市販品が販売されているので、手軽にトライできます。色や香りもさまざまで、プラスアルファ効果があるものも。お気に入りを探してみるといいと思います。
お湯からも当然ガスは抜けていきます!
入浴剤メーカーの研究者に尋ねたところ、「炭酸飲料のガスが抜けるように、お湯からもガスは抜けていくので効果があるのは数時間程度。家族が次々と入浴するなら大丈夫。でも、翌日沸かし直すと、効果は期待できない」といいます。沸かし直したお湯に追加の入浴剤を入れるのもNG。成分が適量を超えるので、皮膚を荒らすことがあります。
炭酸ガスは温度が低いほどたくさん溶け込むので、お湯の温度はちょっとぬるめが効果的。36〜41度くらいが目安で、15分程度のんびり浸かると全身の血管が拡張し、血流がよくなります。でも、効果を期待して、ぬるい湯に長く浸かり過ぎると、末梢血管が拡張し過ぎて血圧が下がり、貧血を起こすこともあるので、気をつけましょう。
重曹とクエン酸で簡単発泡浴。掃除がしやすくなるメリットも。
入浴剤を買わなくても、重曹とクエン酸で簡単に炭酸浴を楽しむこともできます。200ℓの湯に重曹大さじ4を振り入れ、クエン酸大さじ2〜3くらいを加えると、シュワ〜と発泡します。ポイントは、食用として市販されているものを選ぶこと。お掃除用のものは不純物が多いものや他の成分が含まれている場合もあるので、純度の高い食用や薬用を。重曹とクエン酸を別々の密閉容器に入れて空気に触れないようにしておくことも大切。混ぜるのは湯の中で。
これなら香りも色もついていないので、好みのアロマオイルを1〜2滴垂らしたり、ドライハーブや塩少々を加えるなど、バリエーションも楽しめます。重曹とクエン酸をエタノールで湿らせてギュッと握れば手作りのバスボムも作れますよ。
重曹を加えた湯に浸かると、不要な角質や皮脂が落ちやすくなり、体を優しく洗うだけで、スッキリとします。入浴後は最後にさっとシャワーを浴びて入浴剤を洗い流しましょう。湯に溶けた重曹の効果で浴槽が汚れにくく、掃除が楽になるというメリットもありますよ。