アレルギーを撃退する、小児科医師・池谷優子さんの「掃除健康法」。
文・一澤ひらり イラストレーション・ハラアツシ 撮影・岩本慶三
ドクター池谷健康法(4)掃除機の紙パックの交換は、早めに、こまめに、が衛生的。
掃除機をかけるとき、つねに気をつけていたいのが紙パックの状態。「ゴミがいっぱいなのに使い続けていると、紙パックからホコリがどんどん排気されてしまいます。アレルギーを心配するなら、頻繁に取り替えるほうが安全です」
二重になっているタイプの紙パックなら、排気はより清潔です。
「ただ、排気の臭いが気になるので、サイクロン式掃除機を使っています。目でゴミ、ホコリの量を確認できて、洗うのも簡単です」
さらに、池谷さんは掃除機がけを健康法にも応用しているそう。
「筋トレも兼ね、掃除機を片手で持ってダンベルのように上げ下げしながら掃除するんですよ(笑)」
ドクター池谷健康法(5)掃除機のゴミは室内ではなく、屋外で捨てるようにする。
サイクロン式の掃除機はダストボックスにゴミがたまりますが、これを室内でゴミ袋に捨てるのは厳禁。元も子もありません。
「ダストボックスのゴミを捨てるとき、舞い上がるホコリが肉眼で見えるぐらいですから、室内で行うのは部屋中にアレルゲンをまき散らすのと同じです。掃除機のゴミ捨ては屋外で行いましょう」
どんなにホコリが舞い散っても屋外なら安全安心。それだけでなく、池谷さんはゴミを捨てたあとのダストボックスも、毎回サッと洗ってよく乾かします。
「サイクロン式は毎回ゴミを捨てれば強い吸引力を保てて排気もクリーン。おすすめです」
ドクター池谷健康法(6)ソファや布団はダニの巣窟。ハンディクリーナーで丹念に。
「ソファは座ったり寝そべったりするので、ホコリだけでなく人の皮脂や汗がしみこんだり、お菓子の食べこぼしなどでダニの温床になっています。ソファはハンディクリーナーを使って掃除をし、特に隅はホコリがたまりやすいので細いノズルなどに付け替えて念入りに行います」
デスク周り、本棚や窓枠など、細かな部分を掃除するのにもハンディクリーナーは重宝します。
「ダニとホコリで最も注意が必要なのが布団です。汗で湿気を含み、フケなどの栄養もあってダニの巣窟になりがちなんですね。布団専用クリーナーか、ハンディクリーナーに布団専用ツールを取りつけて掃除します。布団を干して乾燥させてから、時間をかけて裏も表も丁寧に掃除機をかけましょう。布団叩きはダニの死骸を粉砕して広げるだけ。絶対NGです」
ドクター池谷健康法(7)バスルームは入浴したら、すぐに清掃。換気扇+扇風機で湿気を徹底的に除去。
家の中で最もカビが生えやすい場所はバスルームです。
「濡れている床にモノを置いていると、そこからカビが発生します。シャンプーやリンス、ボディソープなどはラックに乗せましょう」
池谷家では毎日最後に入浴した人が掃除をするのがルールです。
「湯船から出たらスポンジに洗剤をつけて、床、浴槽、ラックなどを洗い、シャワーで流します。天井、壁面、窓の結露はスクイージーで取り除きます。仕上げは吸水タオルで水気を取っては絞りを繰り返して、拭き上げていきます」
水気をきれいに拭き取ったら、換気扇を回し、さらに小型の扇風機を朝までかけて乾かします。
「入浴後にササッとやるだけなので、時間もかからないし、お風呂のついでに掃除みたいな感じで気軽です。何よりもクリーンになるので気持ちいいんですよね」
家族の健康を守るための掃除が、池谷さんの健康法だといいます。
「私は小児科医として子どもがアトピーなどのアレルギーにならないように、当時のアレルギー関連の指導書に掲げられていた掃除法を徹底的に遂行しました。それにもかかわらず、3番目の子どもがアレルギー疾患である小児喘息にかかってしまいました。調べるとその要因はハウスダストとダニだったんです。ものすごくショックでしたけれど、掃除のやり方を見直して、アレルギーを撃退する掃除方法を自分なりに確立させました。家族と自分を守る健康法、それがこの掃除術なんですよ」
水切りワイパーとも呼ばれるスクイージー。「浴室の水気を切るのに便利で、水アカやカビを防止できます」
バスルームの水気を拭くのに大活躍の吸水タオル。「マイクロファイバーのタオルで吸水力が抜群なんです」
「お風呂場を乾かすのに使っている卓上扇風機です。かけっぱなしにしておくと、朝には完全に乾いています」
洗面台には木の葉形のスポンジを置いている。「気になる汚れがあったら、石鹸をつけてササッと洗います」
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。
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