「めまい」「耳鳴り」に有効な耳もみと耳ツボ押し法とは?
イラストレーション・川野郁代 文・大澤はつ江
耳もみと耳ツボ押しは、深呼吸をしながら行うと効果がアップ。
(マ)マッサージ
(ツボ)ツボ
※耳もみ、耳ツボ押しは心地よいと感じる程度に。
[めまい]揺れるようなめまいは、耳たぶから順に、ゆっくりともみほぐす。
内耳内の三半規管のバランスが乱れたり、脳が酸欠状態になると、めまいを生じることがある。酸欠状態を改善しようと血管が拡張。結果、血管が圧迫され、めまいを起こすとも。耳の外側の交感神経の求心性線維を刺激することで脳の血流がよくなり、血行不良が改善され、めまいが収まってくることが多い。
耳たぶを親指と人差し指で挟み、優しくもみほぐす。耳たぶ、真ん中、上部の順番で、深呼吸をしながら、心地よいと感じるまで行う。
翳風(耳たぶの裏側、顎の付け根の大きなくぼみ)と風池(首筋の外側の際にあるくぼみ)を人差し指で押す。
[耳鳴り]突然起こるキーンという不快音。煩わしい音を和らげるには外耳道に刺激を。
外から音の刺激がないのに耳の中で感じるキーンという高音や、人が行進するようなザッザという音。突然に起こる場合も多く、2013年の国民生活基礎調査(厚労省)では45%の人が慢性的な耳鳴りに悩んでいるという。外耳道を刺激すると脳がリラックスし緊張が解け、耳鳴りに効果的なツボを押すことで不快な音が和らいでくる。
耳の穴に人指し指を奥まで差し込み、ポンと人差し指を抜く。両耳一緒に行う。
聴宮(口を開けたときにできるくぼみ)は中指、聴会(聴宮の少し下)は人差し指で左右同時に押す。
風池は人差し指、中指、薬指の3本で円を描くように。翳風は人差し指で押す。
上馬塲和夫(うえばば・かずお)さん●医師、医学博士。広島大学医学部卒業。東西医学融合をライフワークにアーユルヴェーダやヨガの実践と研究を行っている。一般財団法人東方医療振興財団理事などを務める。
『クロワッサン』1022号より