そもそも白髪は予防できる？ 専門ドクターに聞いてみた。
黒く豊かな髪を育む身体の内外のケアについて、育毛外来をたんとする医師の田路めぐみさんに話を聞きました。
撮影・中村ナリコ（人物）、黒川ひろみ（商品） ヘア＆メイク・若宮祐子（特攻隊） イラストレーション・山口正児 文・薄葉亜希子
「白髪は一度なると戻りにくいので予防が大切です」と語る、医師の田路めぐみさん。そもそも白髪になるメカニズムとは、メラノサイトと呼ばれるメラニン色素を作る細胞の働きが低下することによるもの。
「毛根にあるバルジ領域、その中の幹細胞が新しい髪の毛を作り、毛母細胞として育ったところにメラノサイトが色素を与えて黒い髪の毛が育ちます。このメラノサイトが色素を作れなくなると白髪になってしまいますが、この細胞が元気を取り戻せばまた黒くなる可能性も充分あるんです」
発毛のしくみ
加齢や遺伝のほかに女性が白髪になるのは“鉄不足”と“ストレス”が大きく影響しているそう。この2つのケアと同時に運動や良質な睡眠も欠かせない。
「運動と睡眠、食事、そしてストレスケア。この4本柱で、偏らずバランスよく身体を立て直すことが大切です。特に運動と睡眠はホルモンの分泌に大きく関わるもの。運動によって成長ホルモンが分泌すると代謝がアップし、髪の成長にも役立ちます。また睡眠も身体を休めてリセットするのに不可欠です」
栄養面については髪や頭皮の悩みはミネラル不足によるものが多く、鉄や亜鉛をしっかり摂ることが要となる。加えて髪の主要成分であるタンパク質も積極的に摂りたい食材だ。
「ほとんどの女性は鉄分が不足しているといっても過言ではありません。意識して摂ってほしいのは吸収のよいヘム鉄。ほうれん草など植物性由来のものより、赤身肉や貝類など動物性由来のものに豊富に含まれています。また閉経後は鉄分不足になりにくいと思っているかたも多いのですが、要注意。その時点で今度は女性ホルモンの分泌が下がってしまいますから。閉経する前から早め早めにケアすることがいちばんの対策です」
とはいえ、忙しい生活の中では規則正しい食事ができないことも。そのためにもサプリを上手に活用してほしいという。
「サプリはきちんと使えば、待ったなしでケアすることができます。また外からの手入れも忘れずに。日々のシャンプーは優しいタイプを選び、頭皮を動かすように洗って健やかな髪が生える土壌を整えましょう。頭皮美容液も習慣にするといいですね。肥沃な畑には作物も健やかに育ちます。同じイメージで頭皮ケアを取り入れてみて」
黒く豊かな髪を育むには、身体の内外からの両輪のケアを今すぐはじめたい。
健やかな髪を育む白髪予防シャンプー
予防は頭皮から! 専用エッセンス
『クロワッサン』1015号より
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