肌年齢マイナス5歳が目標!スキンケアとメイクのマル秘ワザ。
撮影・天日恵美子 ヘア&メイク・藤本 希(cheek one) 文・今井 恵
浅香さんが考える、きれいのための心がけ
一、清潔感
二、さわやかな笑顔
三、仕事を大切にする心
日々の気持ちや生き方が、大人のきれいをつくる。
浅香 ところで私が挙げたきれいのための心がけの「清潔感」の反対語は不潔ではないのよ。清潔感とは手をかけること。年齢を重ねると女性は末端が汚くならない? 髪や爪にツヤがなくなり、手の甲に血管が浮き出て、かかともひび割れる。そこに手をかけているかどうかで、清潔感が生まれるんです。
松本 次の「さわやかな笑顔」は、まさに浅香さんのような笑顔ですね。
浅香 あら、私、さわやか?(笑)。笑顔を見て不快になる人はいませんからね。そして「仕事を大切にする心」の仕事は、別に職業じゃなくていいの。主婦として家事や介護をするのも立派な仕事。自分が日々やっていることを大切にする人はきれいでいられると思います。
松本 私も言葉は違うけど、浅香さんの考えと似ているかも。美しさの理想形は清々しい人だと思うんです。そのための三カ条かな。「手放す」とは、生きるうえで手放すことも大事だなと。若さに固執しないのも手放すこと。
浅香 ああ、わかる!
松本 「ものを大切にする」のは人間としての基本ですね。そして「おもしろがる」は、昨日まで持っていたものを手放し、今日手に入れたものを楽しみ、明日はまた違うものを楽しもうという能動的な考え方。さらに自分を観察しておもしろがれるなら、なおよし、です。自分を受け入れていないと、自分をおもしろがれない。この3つは自分への戒めも込めています。
浅香 今の若い世代って、人に興味がない人が多いのよ。私は教室に初めての生徒さんが来ると、ものすごく話しかけてしまう。「きれいなのに、なんで来たの?」とか(笑)。単純に人に興味があるし、話を聞くことでその人の魅力がわかる。他人にいい意味で興味を持つことは大切です。
松本 浅香さんみたいに人間関係を楽しめる人は老けないと思うんです。一方的にボールを投げるばかりじゃなくて、相手のことも受け止めるから。
浅香 そう。壁に投げてもつまらない。キャッチボールするから楽しいのよね。
松本 そして不思議なんだけど、女性は自分がきれいになると、人とコミュニケーションをとりたくなりますよね。
松本さんが考える、きれいのための心がけ
一、手放す
二、ものを大切にする
三、おもしろがる
人との会話で生まれる、躍動感や柔らかい雰囲気。
浅香 そうね。逆もあって人に「きれいね」とか、いい言葉をかけている時って、その人もいい顔している。だからかな、教室でメイクを勉強してきれいになったお母さんが娘さんを連れてくるパターンが多いんです。でもお母さんはメイクしながら周りの方と「あら、その色素敵ね」とか楽しそうに話すんだけど、娘はひたすら鏡の中の自分ばかり見てメイク。お母さんが60代で娘さんが30代。娘さんは若いはずなのに、お母さんのほうがおきれいなの。そう考えると、大人の化粧は自信であり、コミュニケーションツールであり、マナーでもある。ものすごく社会性を帯びていると思わない?
松本 たしかに、そうですね。
浅香 私みたいな顔はハードルが低いから、ちょっとメイクを変えただけで「あら、浅香さん、なんだかきれい」と言われるんです。でも松本さんみたいな整った顔は、年齢とともに老けが目立ちやすいはず。それなのに、あなたは歳を重ねてきれいになっているわ。
松本 あら、なんてうれしい言葉。先日、近所のスーパーの店員さんに「髪を切ったのね」とか声をかけられたんですけど、その声のかけやすさを、自分自身の雰囲気や表情が出していたんだとしたら、とてもうれしい。
浅香 私もよく道を聞かれるわよ(笑)。
松本 あはは。怖そうな人には聞きませんものね。でも機嫌のいい顔でいるには、肌の調子がよくないとダメだし、メイクで明るさを演出することも必要。
浅香 そうね。清潔感や明るさは、基本のお手入れをしていれば保てるもの。汚れを落とす。保湿はきちんとする。よく眠る。そしてお手入れを義務にしないこと。翌朝の肌がきれいだったらうれしいなと思いながらお手入れして。
松本 大賛成! 私も基本を大切にしています。そこに加えるとすれば、メイクは欠点カバーと義務感でするのではなく、楽しんでやっている人のほうが生き生きしてくる気がします。
浅香 わかる、わかる。
松本 そういう考え方になると、1本の口紅でも「こう見えるんだ」とかいろいろな気づきがあります。スキンケアで一発逆転はあり得ないと思うので、楽しみながらコツコツ続けましょう。
浅香 そうね、そのとおり!
メイクでキレイを手に入れた人たち
浅香さんが主宰する「Say若創り学教室」でメイクアップを学んだ卒業生のみなさん。
松本千登世さん(まつもと・ちとせ)さん●エディター、ライター。美容や人物インタビューを中心に活動。著書に『「ファンデーション」より「口紅」を先に塗ると誰でも美人になれる「いい加減」美容のすすめ』(講談社)など。
浅香純子さん(あさか・じゅんこ)さん●Sayブランドマネージャー。大手化粧品会社で「RMK」「SUQQU」「CHICCA」を立ち上げる。中高年向けのスキンケア&メイクを学べる「Say若創り学教室」を主宰。
『クロワッサン』1015号より
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