かゆみや痛みを放っておかない。大人こそ、デリケートゾーンケア。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・大山奈歩 構成&文・越川典子
自分のカラダに自覚をもつ。人任せにしてはいけない。
「欧米では『膣ケア』がすすんでいます。ひだ状になっている部分をどう洗い、どうケアするか教えることは、自己肯定感をもつことにつながります。ひいてはセックス、妊娠、中絶、出産など、カラダにまつわることを自分で決定する能力につながっていくのだと思います」
デリケートゾーンの悩みは本当に人それぞれ、それこそデリケートな様相を呈している。
「医療現場でも、『大した病気じゃないから』『気のせいだから』と理解されないこともあります。なかには、出産や婦人科検診で医療者の言葉で傷ついて、婦人科に行くことすらためらう人もいます。でも、放っておいて深刻な症状になることだけは避けてくださいね。もし娘をもつ母親であれば、ケアの方法も教えてあげてほしいと思います」
なぜなら、不快感は女性のQOLを大きく損なってしまうから。
「まずは、ふだんのケアから見直していきましょう」
誰にも言わなかったけれど、こんな症状で悩んでいませんか。
●トイレットペーパーで拭くとき痛い
●排尿のとき、しみる
●ニオイがきつくなった
●陰部がカサカサしてきた
●陰部にかゆみがある
●自転車に乗ると、デリケートゾーンが痛い
●セックスのときに痛みがある
●セックスのときに出血があった
●数年ぶりにセックスしたら、痛くてできなかった
●子宮体がんの検査が痛くてできなかった
※痛みや出血がある場合、別の病気が隠れている可能性もあります。専門医に診てもらうようにしましょう。
いま「VIO脱毛」が行われる、 あらたな理由がある。
Vとは、鼠径部(そけいぶ)まわりのVラインのこと。Iとは、女性器のまわり、Oとは肛門まわりのことを指す。
「世界中のアスリートがVIO脱毛を始めています。動きやすい、見た目がきれい、洗いやすいので清潔、ニオイが気にならないなどの理由からです」
加えて、40〜50代女性がこの施術を受けるようになっているという。
「親の排泄のケアや入浴の介助を体験している女性たちが『いざ自分が介護される側になったら』と考え始めたんですね」
部分的な脱毛で形を整えることも可能。カラダをケアする選択肢のひとつになった。
『クロワッサン』1006号より