「SWIM」(BTS)──抗うより、泳ぐ。4年ぶりに揃った7人の静かな転回
高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。約4年ぶりに7人が揃ったBTSがアルバム『ARIRANG』よりタイトル曲「SWIM」を発表しました。曲の核心にあるのは、「泳ぐ」という行為が象徴する人生哲学です。
文・高橋芳朗
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約4年ぶりに7人が揃ったBTSがアルバム『ARIRANG』よりタイトル曲「SWIM」を発表しました。全メンバーの兵役を経てのカムバックとあって華々しい復活劇を期待する声も多い中、届けられたのは高揚感よりも深みを湛えた楽曲でした。
「SWIM」の核心にあるのは、「泳ぐ」という行為が象徴する人生哲学です。荒波に抗うのではなく、自分のペースで波の中を進み続ける──それがこの曲の語る「レジリエンス」の姿です。「bad world」「mad world」などの言葉で現実への息苦しさが率直に綴られつつも、やがて主人公は水へと飛び込む決意をします。ブリッジの「I make waves with my two fins」、すなわち「自らの力で波を起こす」という一節には、流されるだけでなく主体として立つ強い覚悟が感じられます。
リーダーのRMが作詞を担った「SWIM」は、BTSの現在地をそのまま映し出した作品でもあります。公式声明では「自分のペースで前進することを人生への愛の表れとして描いた」と説明されており、長い不在を経たいまだからこそ生まれた内省的なメッセージが込められています。また、別れを耐え抜いたファンへ向けた楽曲という側面も持ち、海へ潜るその姿には変わらぬ献身が滲み出ています。
抗うより、泳ぐ──それがいまの7人の答え。「SWIM」はその静かな転回を、鮮やかな海景として刻みつけた一曲です。
『クロワッサン』1165号より
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