頻尿、尿もれ、骨盤臓器脱——骨盤底筋を鍛えて、女性特有の困りごとを解消
撮影・中島慶子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 イラストレーション・タムラフキコ 文・板倉みきこ
どの世代でも、骨盤底筋の劣化を防ぐ必要あり
骨盤底筋の重要な役割が、排尿や排便など排泄のコントロールに関わっていることはだいぶ認知されてきた。排泄トラブルはQOLの低下に繋がると、長年骨盤底筋トレーニングの必要性を提唱してきた医師の関口由紀さんは、実は高齢者だけでなく、成人女性全員にトレーニングしてほしいと訴える。
「骨盤底筋を劣化させる原因は、加齢だけではありません。出産の経験がある人、座り時間が長い、運動不足、呼吸が浅いなど、骨盤まわりの筋肉が弱体化したり、緊張を助長して逆に硬くする要因はたくさんあります」
骨盤の底の大きく開口している部分にハンモック状に広がり、底を支えているのが骨盤底筋だ。骨盤内の臓器を下支えし、横隔膜などと連動して呼吸や姿勢を支え、体の軸を安定させる。
「個人差はあれど、放っておけば劣化していくものなので、日頃から意識して刺激する必要があります」
柔軟性やしなやかさの維持も大事。
「最近では、単なる筋肉群ではなく、筋膜や靭帯・皮下組織、全てを含むプレート臓器としての“骨盤底”の役割も認識されています。ホルモンの変動で潤いを失いやすい場所なので、骨盤底の中心にある腟付近の保湿が欠かせませんし、硬くなっていたらほぐしましょう。トレーニングで目指すのは、しっかり緩めて締められる骨盤底を作り、維持すること。場所を意識できるようになれば、深く呼吸するだけで刺激できるようになりますよ」
骨盤底筋がどこにあるか見つけてみよう
骨盤底筋トレーニングの指導歴30年以上のフィジカルトレーナー・岡橋優子さん。鍛えるだけでなく、しなやかにほぐす大切さも伝えている。
「骨盤底筋は筋肉の中でも、関節をどこも動かさずに使う、まれな筋肉です。骨盤の底部にぶら下がっているだけなので、硬くなりやすく、劣化しやすいという特徴があります」
また、日常で使っている意識が低いので、トレーニングのターゲットにしにくいのが厄介な点。
「まずは骨盤底筋の場所、動きを実感しましょう。今回紹介する方法で場所を把握し、骨盤底筋の動きを感じてみてください。おしっこを我慢する、肛門を締める動きで、会陰部や肛門の小さな動きを感じられたらOK。お尻を固く締めないように気をつけましょう」
下記の3パターンを試してみて。
『クロワッサン』1162号より
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