眞栄田郷敦さんが語る、映画『ゴールデンカムイ』──何を考えてどこを目指すのか。役の人生を読み込んで掘り下げていくのが好きですね
撮影・小笠原真紀 スタイリング・MISU(Sanju) ヘア&メイク・Masaya(Ply) 文・木俣 冬
「キャラクターがそれぞれ魅力的で、それぞれの策略が混じり合い、裏を取り合う攻防戦がリアルで面白いです。それプラス歴史の勉強にもなるのかなと」
出演作の映画『ゴールデンカムイ』の面白さを語る眞栄田郷敦さん。明治末期の北海道、24人の脱獄囚の刺青に隠された金塊のありかを求めて、日露戦争の英雄・不死身の杉元とアイヌの少女アシㇼパを中心に多くの人たちの思惑が交錯する人気漫画の実写化。眞栄田さんが演じているのは、人気キャラ・尾形百之助。帝国陸軍北海道第七師団歩兵第27聯隊所属の射撃の名手だ。
「彼の持つバックボーンが壮絶だし、スナイパーとして優秀で、いいところで活躍する役だというのもいいですね」
尾形はミステリアスな面も魅力的。
「役を引き受けたとき漫画の最終回がすでに描かれていて、尾形の行く末がわかったうえで演じられたのは助かりました。わからないままだとどうしていいか悩んだかもしれません。アニメ版の声を演じた津田健次郎さんと対談したとき、津田さんは結末を知らずに演じていたと聞きました。大変だっただろうなあと思います。尾形は終盤に向かってますます活躍していくので完結までシリーズが続いてほしいです」
演じるとき、外観から作りこむのではなく内面からアプローチする。銃やナイフの扱いにも時間をかけた。
「とくにナイフはスピード感が必要で緊張感がありました。これまで扱ったことがない銃やナイフを慣れた手つきに見えるレベルに持っていくのは難易度が高かったです。常に触れるようにして、体の一部のように使えるようにしたいと思っていました。アクションに限ったことではないですが、何をやるにしてもその役の生活や得意なものを“ノールック”でできるようになることは、その役の生きてきた時間の再現として心がけたいと思っています」
ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(2022年)の理想を求めるテレビマンの役の葛藤、大河ドラマ『どうする家康』(2023年)の武田勝頼の堂々たる戦国武将っぷり、朝ドラ『あんぱん』では手塚治虫をモデルにした人物の天才性……、どんな役でもビビッドな息吹と深みを感じさせる。
「作品との出合いはご縁なんで、自分でやりたいと思ってやれるものでもないから、いただいた役をひとつひとつ丁寧にやるだけだと思っています」
『クロワッサン』1161号より
広告