その洗濯で大丈夫? プロが教える、お気に入りの服を美しく長く保つ「洗濯習慣」
文 ・岡のぞみ
洗濯機の中で「衣類が泳ぐ」余裕を
洗濯機の性能を100%引き出すための鍵は、実は「隙間」にあります。ライオン株式会社のお洗濯マイスター大貫和泉さんによれば、洗濯機に入れる洗濯物の量は、冬服でも夏服でも関係なく、容量の7〜8割に抑えるのが理想だそう。
縦型洗濯機の場合、衣類を入れたときに洗濯槽の銀色の壁面が上から5cmほど見えている状態が適量です。ドラム式の場合は、扉の丸い窓の上部に空間があるかを確認してください。
満杯に詰め込んだ洗濯機の中では衣類がほとんど動かず、上の方にある洗濯物に対する洗浄力は、通常の約1/3まで落ちてしまうこともあるそうです。衣類同士がしっかり入れ替わり、「くるくる回る」余裕があって初めて、汚れが落ちるのです。
洗剤は多すぎても少なすぎてもダメ
「汚れがひどいから洗剤を多めに」と思いがちですが、例えば2倍入れたからといって洗浄力が2倍になるわけではありません。逆に、洗剤の量が少なすぎると汚れ落ちが悪くなるばかりか、一度落ちた汚れがまた衣類についてしまうことも。
「洗剤には、これ以上入れても洗浄力は上がらない、という頭打ちのポイントがあるんです。容器に記載されている適量を守って使用しましょう」(大貫さん)
縦型洗濯機は、底の方が最も水流が強く汚れを落としやすいため、ニオイが気になる靴下やタオルなどは、洗濯槽の「一番下」に入れるのがおすすめなんだそう。
皮脂がつきやすい肌着は裏返しに、泥がついた靴下は表のままで。落としたい汚れがある部分を表面に出すことで、水流や洗剤が直接当たりやすく、汚れ落ちが劇的にアップします。襟や袖汚れなど、特に気になる場合は、液体洗剤を直接塗ってから洗濯機へ。
洗い上がりに差が出る洗濯ネットの選び方、入れ方
「とりあえず洗濯ネットに入れておけばOK」と考えている人も多いのでは。洗濯ネットは、仕上がりを左右する大切なアイテムなので、適切な使い方を知っておきましょう。
①ネット1枚につき1着が鉄則
1つのネットに数枚詰め込むと、重なった部分の汚れが落ちにくくなります。また、たたんで入れないと、シワが寄りやすくなってしまいます。
②「たたんで、ぴったりのサイズ」へ
ワイシャツなら、市販の30×33cm程度のサイズに「たたんで」入れるのが、最も洗浄力が高まるそう。ネットの中で衣類が動きすぎないサイズを選ぶことで、型崩れを防ぎ、アイロンの手間も軽減。洗濯後に、ネットの中で衣類が寄ってしまっている場合は、ネットが大きすぎるサインです。
③繊細な衣類ほど目の細かいネットに
目の粗いネットは白・単色など糸くずの付着が気にならない衣類向き。目の細かいネットは、濃色など毛羽や糸くずの付着が気になる衣類、ビジューや刺繍などの装飾品やホックのついている衣類向きです。絡まりやすいストッキングやタイツなども目の細かいネットを選ぶと安心です。
意外と知らない? 「洗濯表示」
衣類についている洗濯表示は、記号が複雑で「これなんのマーク?」と迷うことも。洗濯桶に×印があれば家庭では洗えません。桶の下に線が増えるほど「優しく洗う(弱水流)」というサインです。
ライオンでは、お家で洗えるか、どの洗剤を使えばいいかを即座に教えてくれる無料アプリ「これ洗える?」を提供しています。迷った際には参考にしてみて。
嫌なニオイは「5時間以内」に乾して撃退
生乾き臭の原因の一つは、衣類が湿っている間に増殖する菌にあります。衣類のニオイが気になる場合は、嫌なニオイがし始める前の「5時間」以内に乾かし切るのがポイント。そこで重要なのが「風」と「空間」です。
部屋干しの際についつい掛けてしまいがちなカーテンレールですが、実は厳禁。壁際は空気の流れが滞りやすく、さらに数ヶ月〜1年洗っていないこともあるカーテンの汚れが、せっかく洗った衣類に移ってしまいます。また、カーテンもカビが発生しやすくなります。風が通りやすい部屋の中央や、壁から離した場所を選びましょう。
洗濯物を早く乾かすには、気温・湿度・風が関係しています。外干しするよりも室内に干して扇風機やサーキュレーターを併用して風を当てる方が、乾燥時間が短くなることも。浴室乾燥機を使用する際は、中央上部から風がくるため、逆に薄手のものは外側に、厚手のものを内側に干す方が早く乾くそうです。
洗濯は、毎日の暮らしを整える大切な習慣。適切な洗濯方法を知るだけで、お気に入りの一着をより長く、美しく保つことができます。ぜひこの機会に洗濯の仕方を見直してみませんか。
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