イタリアンのシェフが教える、2つの万能調味料と3つの発酵調味料。
撮影・津留崎徹花 文・板倉みきこ
調味料は食材の美味しさを最大限に活かすための存在、と『焚き火イタリアン falò』オーナーの樫村仁尊さん。
「調味料の味だけに料理が支配されてしまうのは好みではないので……。使う時は混ぜすぎないこともポイントです。調味料があるところ、ないところができるので、食べるたびに味が変わって主役の食材の魅力を楽しめます」
樫村さんが最近ハマっているのが、日本では馴染み深い発酵調味料。味噌や麹、果実酢などを自ら手がけている。
「時間が美味しくしてくれる面白さがありますね。味噌や麹にドライトマトやマッシュルームを加えると複雑な味わいになり、発酵の力を実感します」
今回は、店でもよく使う万能調味料のサルサヴェルデやアンチョビソースに加え、味噌や麹を使った調味料を考案。
「発酵調味料ですので、密閉容器に入れてきれいなスプーンなどで取っていれば基本的にどれも長持ちします」
アンチョビソース
【材料(作りやすい分量)】
アンチョビフィレ 200g
にんにく(みじん切り)25g
オリーブオイル 50g
【作り方】
常温のフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、にんにくの香りを出す。きつね色一歩手前ぐらいでアンチョビを加え、香ばしく炒める。炒めながら、木べらなどで、ペースト状になるようにつぶす。
↓こんな料理に
サルサヴェルデ
【材料(作りやすい分量)】
イタリアンパセリ 20g
ケイパー(酢漬け)15g
にんにく 10g
アンチョビフィレ 3g
エシャロット 15g
エクストラヴァージンオリーブオイル 適量
【作り方】
オリーブオイル以外の材料を細かく刻み、ボウルでオリーブオイルと一緒に混ぜ合わせる。
きのこのクロストーネ
【材料(作りやすい分量)】
好みのきのこ 適量(3種類以上あると食感も香りも豊かで美味しい)
好みのチーズ 適量(写真はモッツァレッラチーズ。好みでタレッジョやゴルゴンゾーラでも良い)
パン 適量
アンチョビソース 少々
【作り方】
1.きのこを食べやすくほぐし、小さく切ったチーズと共にボウルに入れて混ぜ合わせる。
2.パンの上に1を盛り、220度のオーブンで7〜8分、きのこにしんなり火が入り、表面がほんのり香ばしくなるまで焼く。
3.あればイタリアンパセリ、オリーブオイルを散らし、アンチョビソースをかける。
唐辛子麹
【材料(作りやすい分量)】
米麹 1kg
塩 100g
韓国唐辛子 200g
水 300g
【作り方】
フードプロセッサーで米麹と塩をよく混ぜる。ボウルに移し、韓国唐辛子、水を加えてよく混ぜ、消毒した保存瓶に入れて4カ月ほど、麹が溶けてソース状になるまで常温におく。
※季節や室温によって、発酵期間は変わる。
マッシュルーム麹
【材料(作りやすい分量)】
ブラウンマッシュルーム 1kg
米麹 1kg
塩 160g
【作り方】
1.米麹と塩をフードプロセッサーでよく混ぜ合わせる。
2.ブラウンマッシュルームもフードプロセッサーで細かく刻み、1と合わせ、消毒した保存瓶に入れて常温で3カ月以上発酵させる。たまに蓋を開けてガス抜きをし、気が向いた時によく混ぜておく。
※季節や室温によって、発酵期間は変わる。
ドライトマト味噌
【材料(作りやすい分量)】
ドライトマトペースト 20g
味噌40g(甘めの味噌が合う)
【作り方】
ドライトマトペーストと味噌を混ぜ合わせる。容器に入れて、冷蔵保存。
野菜と豚肉の蒸し物
【材料(作りやすい分量)】
好みの野菜 適量(じゃがいも、レンコン、にんじん、アスパラガス、えのきたけ、ミニトマト、青菜等なんでもOK)
豚バラ薄切り肉 適量
【作り方】
硬い根菜類はあらかじめ電子レンジにかけておき、野菜をすべて食べやすい大きさに切る。蓋つきの鍋に入れ、水少々を加えて蓋をして火を通す。野菜にあらかた火が通ったら豚バラ肉を上にのせ、さらに2〜3分、豚肉にやさしく火が入るまで蒸す。
『クロワッサン』1102号より
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