キムチといえば、唐辛子の赤い色が特徴的な白菜キムチが浮かぶと思いますが、これはペチュキムチといいいます。
朝鮮半島で寒い時期の野菜不足を解消するために発展した乳酸発酵漬け物がキムチで、各地で多くの種類が作られています。唐辛子を使わないものもあります。
白菜キムチは塩で下漬けした葉の間に、ヤンニョム(後述)をはさんで熟成、発酵させたもの。野菜の乳酸菌が繁殖し、たっぷりの乳酸を作るので酸っぱい味になり、これが腸を弱酸性にしてくれます。
乳酸菌そのものも善玉菌を支え、腸内環境を整える働きがあります。ビタミンB群が豊富なので、エネルギー代謝もよくなります。
ヤンニョムにはにんにくやねぎなど、硫化化合物を含む野菜が使われ、アミの塩辛や魚醤など、すでに発酵させた材料も加わることから、発酵食の相乗効果が得られます。
赤いキムチにたっぷり使う唐辛子にはカプサイシンという辛味成分が豊富で、毛細血管を拡張して血流をよくし、末端まで栄養や酸素が運ばれるので、冷えや血行不良による不調を改善したり、内臓の健康を支える効果があります。
赤い色は唐辛子の色素成分カプサンチン。活性酸素による酸化を防ぎ、細胞の老化を抑えてくれる働きがあります。
キムチに使う唐辛子は驚くほどの量ですが、一味唐辛子などとは違う種類で、比較的辛さは弱め。だから真っ赤になるほど加えても大丈夫なのです。
発酵食としての健康効果と、辛味による血流改善、色素の抗酸化効果が体を支えるのがキムチです。