納豆が体にいいことはよく知られていますが、そのメカニズムはまだすべて解明されているわけではありません。
蒸した大豆に納豆菌を加えると、菌が大豆を分解すると同時にさまざまな酵素を生み出しますが、同時に人間には消化できない食物繊維も作ってくれることがわかっています。
中でも納豆独特のネバネバ成分の正体であるフルクタンという多糖類は、人には消化できないけれど、腸内の善玉菌には消化ができ、たっぷりと食べて元気になった善玉菌はせっせと乳酸や酢酸を作り出し、腸内を弱酸性に保ちます。
同様にガンマポリグルタミン酸という食物繊維も腸内環境に好影響を与えているのではないかと考えられています。
また、納豆の原料である大豆は良質なたんぱく質で、大豆イソフラボンやレシチン、サポニンなども豊富。本来あまり消化がよくないのですが、納豆菌によってアミノ酸に分解されることで旨みが増し、消化もよくなるすばらしい先人の知恵です。
出血を止める働きや骨粗鬆症の改善効果を持つビタミンKを豊富に含み、腸内でビタミンKを作る細菌の応援もするので、ダブルでビタミンKを増やします。
納豆の健康効果を語るとき、必ずその名が出るのがナットウキナーゼという酵素。血栓を溶かし、動脈硬化に有効という報告もありますが、この酵素が直接血栓に作用するのかどうかはまだはっきりとはわかっていません。
納豆は、良質なたんぱく質と食物繊維の恩恵を一つの食材から得られるスーパーフードであることが最も大切なポイントです。