なぜ髪を切る店を「床屋」と呼ぶのかしら? 頭にちょんまげを乗せてた時代に、髪を結う場所(床)だった髪結床の「床」が語源なんですね。
女性は美容院へおいでになるかたが大多数のようで。男性でも行くかたはいらっしゃるものの、床屋派が多いんじゃないかしら。同じ髪を整える商売でもいろいろ違いがあるのがおもしろいですね。あまり聞きませんよね「カリスマ散髪屋」…。やはりカリスマは「美容師」のほうが似合います。
さて「浮世床」という落語、あらすじにとりとめがないなぁと感じたかたもおいででは? そう、実はこの噺、床屋で起きたちょっとしたエピソードの集合体、オムニバス形式なんです。「本」「将棋」「夢」などパート分けして長くも短くも演じられ、時間調整にも重宝します。市井の人々の日常をいきいきと描いた、大作ではないけれど名作だと思いますよ。