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【演目:五貫裁き】講談を元にした「釈ネタ」の名作、大岡越前の裁きはいかに?│ 柳家三三「きょうも落語日和」

イラストレーション・勝田 文

【演目】五貫裁き

【演目:五貫裁き】講談を元にした「釈ネタ」の名作、大岡越前の裁きはいかに?│ 柳家三三「きょうも落語日和」

あらすじ

町内の厄介者・遊び人の八五郎は堅気の商売を始めたいと一念発起。大家さんの提案で、町内を回って今までの行いを詫び、資金を寄付してもらうことに。
ところが強欲な質屋・徳力屋が一文しか出してくれず、立腹した八公が銭を投げつけると徳力屋に煙管で額を殴られる。
大家に言われて町奉行所に訴えたものの、大岡越前守は銭を投げた八五郎に非があると、罰金・五貫文(五千文)を毎日一文づつ、徳力屋に持参し、それを徳力屋が奉行所に納めるよう命じる。

徳力屋はお咎めなしと喜んだが、越前守には秘めた狙いがあり、事態は意外な展開に…。

この噺は講談「大岡政談」のひとつで、古くは六代目三遊亭圓生師匠が「一文惜しみ」の演題で、近年は立川談志師匠とご一門が得意演目として高座にかけています。

講談(講釈)を元にした落語は「釈ネタ」と呼ばれます。
起承転結がわかりやすく、勧善懲悪や立身出世など人情の機微に訴える物語が多いので、番組の主任が演じる「トリネタ」になることが多いのも特徴です。
「演者の腕が落ちても、ストーリーがしっかりしてるからごまかせる」と、釈ネタに批判的な意見もありますが、滑稽噺より登場人物が多く、筋立ても複雑なので、それなりの技量がなければこなせません。滑稽噺も釈ネタもそれぞれ難しさがあるんですね。

実は大岡越前守がドラマや講談で披露した名裁きのほとんどは、中国の故事や日本の他の奉行の裁判という「元ネタ」があるんだそうです。

『クロワッサン』1086号より

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